今日はマスターピースから「MP-51 アーシー」をご紹介!
商品名 | MP-51 アーシー |
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シリーズ名 | マスターピース |
クラス | – |
メーカー | タカラトミー |
発売時期 | 2020年12月29日 |
価格 | 16,000円(税抜) |
ということでマスターピース版「アーシー」です!「アーシー」は1986年に公開された映画『トランスフォーマー ザ・ムービー』から登場したサイバトロンの女性戦士(ウーマンサイバトロン)で、『戦え!超ロボット生命体トランスフォーマー2010』、『ザ☆ヘッドマスターズ』、海外では『ザ・リバース』などでも活躍しました。いわゆる『2010』組のマスターピース化は「ウルトラマグナス」、「ホットロディマス(ロディマスコンボイ)」に続き3人目となります。発売後すぐレビューしようと思っていたのですが、他の86シリーズやキングダムの新製品を紹介するのを優先してしまって今頃になってしまいましたがお付き合いいただけると嬉しいです。それではいってみましょー!
【パッケージ】
パッケージ。いつものフォーマット。
中身はこんな感じ。小物がたくさん付属しています。
キャラクターカード。このキャラクターカードのイラストは取扱説明書にも描かれていますが、イラストがなんとも魅力のない感じに…せっかくうるし原智志先生にイラスト描いてもらったんだからそれにすればよかったのに…
【ロボットモード】
ロボットモード。ロボットモードの再現はさすがマスターピースだけあってとても高く、ほぼ全面塗装なので見た目もなかなかリッチ。曲線感のある女性らしいフォルムをしっかり再現していて色っぽさもあります。スタイルは今風に若干アレンジされつつも『ザ・ムービー』、『20210』に登場したアーシーそのままで、レトロなアンドロイド感ある空山基氏のイラストのような見た目が楽しい。初めてこのアーシーがお披露目されたのはワンダーフェスティバル2020冬ですが、そこで公開された試作品から少し顔の雰囲気が変わって可愛らしい感じになっています。
背面。背負いものが大きいですが、それでもだいぶ細かく折りたたまれて極力コンパクトになるよう努力しているのが伝わります。ただ、見ての通りかかとがヒールっぽい感じで後ろにまったく伸びていないので後ろに倒れやすい。かかとがもう少し後ろに伸びてるか、再現を優先するなら足パーツが金属だったりすればよかったなあ。
全面&背面。
側面。
バストアップ。顔はなかなか美人な感じ。ワンフェスで見たときはちょっとケバい感じがしていたのですが、実物はそんなことなくむしろ結構かわいいと感じます。今回もフェイスパーツが付属し、この通常顔の他に3種類、計4種類の表情があります。
「交換用フェイスA(微笑み)」。口元が通常フェイスから若干開いています。かなり微妙な差…
「交換用フェイスB(驚き)」。微笑みより口が大きく開く、また目も少し見開いた感じに。
「交換用フェイスC(悲しみ)」。目と口の端が少し下がった感じ。死んだコンボイの横に立たせるときくらいしか使い道がないような気もする…
フェイスパーツは頭部を開いて内側の溝にフェイスパーツをスライドして固定します。溝は前と後ろで使用用途が違っていて、前は通常時のフェイスパーツの取り付けの溝で、後ろは下で紹介するゴーグルを展開する際の溝です。ちなみに説明書にはゴーグルの展開の部分に「※必ず後ろ側のミゾに差し込んでください。破損する可能性があります。」とあります…
ゴーグルを装着。フェイスパーツはどの表情でもOKですが、上で書いたように「必ず後ろ側の溝」に差し込む必要があります。ぶっちゃけ溝の前後での差は微々たるものだし、せっかく頭を展開してゴーグルを出せるのに、フェイスパーツはその都度位置を差し替えないといけないという…もうちょっとなんか方法あったんじゃないかな!?
上半身。アニメでの肩から胸につながるラインは分断されて、胸パーツがちょっと出っ張って不自然に目立つような感じになっています。これはレジェンズ版のように胸パーツをビークルの意匠としても使用するためと、肩の可動の確保のためだと思いますが、もうちょっとなめらかにつながる感じだと良かったなあ。
背中。流石にアニメのように肩部分だけにガワが配置されるとはいかずバックパックのように背負うような感じの。けど、ここまで折りたたんでまとまるのはこれはこれですごいことをしていると思います。
手の指はかなり細かく動くようになっていて、人差し指〜小指は第一関節も動きます(独立して動くのは人差し指だけ)。親指は付け根から可動します。この手の小ささでここまで動くのは驚き。
下半身。スラリと太もも〜足首までラインが繋がっていてとても色っぽい。
下半身を後ろから。膝の関節の軸は後ろに出っ張った部分。ふとももの内側の溝が深いところはスプリングが仕込まれていて、変形時や足を大きく可動させる際、ボディ側との干渉しないように避けるようになっている部分です。おしりにはフィギュアスタンド用の穴が空いています。
【武器】
続いて武器。まずは「銃A」。小型のハンドガン。小さいながらに細かく塗装が施されています。
肩のパーツの内側に収納しておくことができます。
専用の「エフェクトパーツA」が付属。
「銃B」。ピンク色の銃。
ホルスターが付属していて収納可能。ホルスターは太もも部分の取り付けられます。
「エフェクトパーツB」。これは↓で紹介する「銃C」でも取り付けられます。
「銃C」。ライフルタイプの武器。
背中に取り付け可能。
「エフェクトパーツC」。これは「銃B」にも取り付けられます。
【ビークルモード】
ビークルモード。セイバートロン星のスーパーカーに変形。設定通り薄く曲線的なフォルムをよく再現しています。ビークルモードも全面塗装なのでシンプルな見た目ながらリッチ感があります。ロボットモードでは先端部分以外は背中に背負うことになりますが、分割線も極力ビークルのモールドに沿うような感じになっているように見えます。
背面。フェンダーで覆われてたタイヤがいいですね。転がし走行ももちろん可能。変形はレジェンズ版を彷彿とさせる感じですが、ビークルモードのガワを細かく折りたたんだりしないと行けないので結構時間がかかります。パーツが薄く、全面塗装されているので気を使うし、正直言えばまったく楽しくない変形です。また、フロントガラスの変形はこれまで管理にが触ったトランスフォーマーの変形史上最高にかっこわるい「くぐらせる」工程があって、これまで数多くトランスフォーマーを変形してきた人でも説明書がなかったら絶対に正確に変形できないのではないかと思います。ロボットモードとビークルモードの見た目さえよくても、変形が楽しくないのは寂しい…
前面&背面。
側面。
ホルスターと「武器C」はサイドに取り付け可能。
「武器A」はロボットモード同様の箇所に、「武器B」はフロント部分の底面に取り付けます。
運転席部分はかなり細かく作り込まれています。
ビークルモードでの武装「クラッシャー」。クラッシャーのパーツを取り付けるのみで、特に先端が回転するなどのギミックはありません。
【比較】
レジェンズ版「LG10 アーシー」と(海外ではジェネレーションズ スリリング30として発売)。このレジェンズ版アーシーは変形するG1アーシー玩具として初めて立体化されたもので、ファンにとっても待ちに待った商品化でした。開発担当は小林弘典氏で、デザインは今回のマスターピース版でも担当の大嶋優木氏。G1アーシーとしては今見てもまったく遜色のない再現度で、今でもナンバー1アーシートイと言っても良いくらい。今回のマスターピース版のベースになったと言っても過言ではなく、パーツ構成などとても似た作りになっています。
ビークルモードでも。レジェンズ版は太ももがリアのフェンダー付近の意匠として使われているのがポイント。今回のマスターピース版はそのあたりもすべてガワになっています。
タイタンズリターン版「アーシー」と(日本未発売)。「ブラー」や「ブレインストーム」と同じ型を使ったものではありますが、リデコで意外としっかりアーシーっぽさを再現していて個人的にはとても好きです。『ザ・リバース』でのヘッドマスター化したアーシーを再現したもので、頭部もダニエルが元になっています。
ビークルモードでも。結構強引だけど、これはこれで悪くない。
アースライズ版「アーシー」と。ここ数年で一気に増えたアーシートイですが、G1再現をしようとすると、ビークルモードとのガワをどうするかが必ずネックになってしまうのですが、それをある意味逆手に取ってギミック化した意欲?作。評判は正直あまり良くないですが(アワード2020でもワースト1位と僅差で2位でした…)、キングダムでも同じものが組み込まれたりしていて、意外と人気なのかも?
ビークルモードでも。アースライズ版はもう少しフォルムが出ていれば…!
マスターピースで発売された『2010』組メンバーと。左は「MP-22 ウルトラマグナス」、右は「MP-28 ホットロディマス」。こうしてみるとそれぞれの時期で目指すところのベクトルが違っているのが分かります。ウルトラマグナスはアーシーと並べても違和感ほとんどないですが、ホットロディマスはだいぶ等身感がアーシーとは違います。そういう意味では「その時できる最高のもの」がマスターピースとして目指すものな気もして、どれも間違いじゃない気がするし、次の「スキッズ」がまた違う方向性に行くのも全然ありだと思います。「並べて楽しい」はスタジオシリーズやジェネレーションズに任せて、マスターピースはいろんなことを試せばいいと思う!
【可動・アクション】
可動はよく動いてくれはするのですが、少々クセがある感じも。特に足の付け根は前にはよく動くのですが、再現度重視で「お尻」と「パンツ」が再現されているので、パンツが邪魔をして後ろ側にはほとんど動きません。ただ気になるのはそこくらいで他の部分はマスターピースらしい可動域になっていると思います(肩はやりすぎなくらい)。一見動かなそうな膝もよく曲がるし、指の可動箇所が多いので表情もつけやすいです。以下写真続きまーす!
表情は見比べるとどれも微妙な差ではあるのですが、付け替えてみると結構雰囲気が出ます。
腰〜足回りのラインが本当にこだわって作られていて、女性らしいちょっとくねっとした感じがよく出ます。
足首も前後、そして内側に曲がります。ただやっぱり背中が重いのでちょっと倒れやすい。
膝はこんな感じで中に関節が仕込まれています。しかも「MP-44 コンボイVer.3.0」のように2段階で可動域が広がるようになっていて、最初動かしたとき結構感動しました。
内腿はこんな感じで上に曲げるとパンツ部分に干渉する位置がスプリングで凹むようになっています。このあたりのリッチさみたいなのはマスターピースならではだし、変形のあるトランスフォーマーだからこその処理で、他のアクションフィギュアにはあまりない面白さだと思います。
ゴーグルを装備。『ザ・ムービー』で使用していました。フェイスパーツの差し替えががなければもっと気軽に楽しめるギミックなんだけど…
艶めかしさという点ではトランスフォーマー玩具の中でも随一。
お姉さん座りも可能。ただ、この状態だと背中が重くて後ろに倒れてしまうのでスタンドを使っています…
以上、マスターピースから「MP-51 アーシー」でしたー!ここ最近のマスターピース同様、アニメの見た目準拠ではあるのですが、今回のアーシーは少しこれまでのものと違うのが「G1トイが存在しない」というところで、そういう意味では「自由」なモチーフと言えます。また、元々が変形をあまり考慮されていないデザインなのでガワ変形になるのは仕方なく、それをいかにアニメに近い形状で再現するかが今回の肝になっていると言えます。そういう意味では今回のアーシーのマスターピースはとてもよく作られていると思いますが、昨今のマスターピース同様、ロボットモードとビークルモードの再現重視で、その過程である変形がどうしても作業感の強いもので楽しくないのは残念に思いました。また、バイザーのためのフェイスパーツの差し替えや、絶対他にもっといい方法があるであろう変形時の「くぐらせ」など、全くスマートじゃないマイナスポイントがあったりもします。その代わりロボットモードとビークルモードの仕上がりは素晴らしく、前面塗装のリッチさ、ロボットモードでのちょっと癖はありつつの面白い可動など見どころは多いです。発売からちょっと時間が経ってしまってからのレビューになってしまいましたが、次の「MP-52 スタースクリーム Ver.2.0」、そして更にその次の「MP-53 スキッズ」とどうやらマスターピースが色々変わっていきそうな予感がしているので、その前にこのアーシーをしっかり紹介しておければと思った次第でした。手放しでは褒められはしないけれど、アーシー玩具のひとつの到達点で、管理人的には大事にしていきたい玩具です。
全然期待してなかったけど、良い意味で裏切ってくれた。変形は元々のデザイン的に無理があるので、これくらい割りきるしかないのかな。