今日はマスターピースから「MP-28 ホットロディマス」をご紹介!
商品名 | MP-28 ホットロディマス |
---|---|
シリーズ名 | マスターピース |
クラス | – |
メーカー | タカラトミー |
発売時期 | 2016年2月27日 |
価格 | ¥8,000(税抜) |
ということで、マスターピース版「ホットロディマス」です!「ホットロディマス」は「トランスフォーマー ザ・ムービー」、「戦え超ロボット生命体トランスフォーマー2010」に登場するサイバトロンの若き戦士で、紆余曲折ありコンボイからマトリクスを受け継ぎ、司令官「ロディマスコンボイ」へと成長するシリーズを通してとても人気の高いキャラです。この「ホットロディマス」はかつて「MP-9 ロディマスコンボイ」のコンパチ仕様で一度マスターピース化されているわけですが、当時の評価は決してよいものではなく、多くのロディマスファンを落胆させました(詳細は「MP-9 ロディマスコンボイ」のレビューをご覧ください)。その後、マスターピースは「MP-10 コンボイVer.2.0」を境にロボットモードでのスケールをあわせた「新生マスターピース」にシフトアップし、中型のカーロボット系のキャラクターたちが商品化されました。それらは「MP-9 ロディマスコンボイ」の悪評を打ち消すように、ファンが本当に喜ぶラインナップと非常に質の高い変形玩具が続々と登場し、「MP-9 ロディマスコンボイ」当時とはまた違うよい流れが出来上がっています。
そんな中、今回一度マスターピース化された「ホットロディマス」がカーロボットサイズで改めて発売されることになりました!以前、レビューで「ホットロディマス」と「ロディマスコンボイ」は別に出すべきだったのでは?と書きましたが、それが叶う形となり、こんなにも早いリメイクがやってくるとは思ってもみませんでしたし、またロディマスは管理人も子供のころから好きなキャラだっただけに、とても楽しみにしていました。また、今回この「MP-28 ホットロディマス」の開発を担当したのは、タカラトミーの三宅智也氏と、大西裕弥氏(大西氏はビークルモードデザイン)となり、マスターピースの開発は初となる若きデザイナーさんによるものとなっています。これまでにも数多くのトランスフォーマーを手がけ、たくさんの傑作も生み出してきたお二人ということもあり、どんなマスターピースを生み出してくれてくれたかも大いに気になるところです。「MP-9 ロディマスコンボイ」のリベンジとなるか!?じっくり見ていきましょー!
【パッケージ・内容物】
パッケージ。「MP-12 ランボル」から続くカーロボット系とおなじ箱のサイズ。なにか物足りない感じがすると思ったら、ロディマスはビークルモードが架空の車両なのでロゴやエンブレムがないからですね。パッケージ裏面はいつも通りの解説と写真が掲載されています。
箱の中はこんな感じ。付属品のひとつである「フィッシングロッド」はロディマスの下に収納されています。
紙ものは取扱説明書とキャラクターカード(といつものアンケート)。
キャラクターカード。表面のイラストは描き下ろし。テックスペックは「ホットロディマス」の時点でもかなり高め。「勇気」が7なのはちょっと以外な感じかな。ちなみにこのイラストを手がけているのは、イラストレーターの吉村正人氏。吉村氏はここ最近のマスターピースをはじめ、ユナイトウォリアーズや2014年に開催された「トランスフォーマー博」のメインビジュアルも担当しています。
【ロボットモード】
ロボットモード。スラリとしたプロポーションに小顔がスタイリッシュ!アニメのマッシブなイメージよりも細い印象で、今っぽさの中にフラットな胸部がレトロさを感じさせます。また、首元と太もものオレンジ部分以外はほぼ塗装となっているのでリッチさも十分感じさせてくれます。
背面。若干背中のボリュームが大きく、かつ「MP-9 ロディマスコンボイ」と似たような形となっており、発売前は若干不安に感じていた部分ではあるのですが、実際触ってみると、折りたたまれたパーツはきっちり固定され、それほど重さもなく、かつかかとのパーツもしっかり後ろ側に広がっているので重さで後ろに倒れてしまうことはありません。
3面。まっすぐ立たせると上半身と比べると下半身のボリュームが若干足りなく見えますが、実際触ってみるとそれは全く気にはなりません。背中の背負いものは横面からみるとさすがに少々目立ちますね。
バストアップ。頭部は非常に清湯な顔立ちでかっこいい!あごが細くかっこ良すぎる感じもしますが、スラリとしたプロポーションによく似合っています。ちなみに今回はフェイスパーツはないのですが、ホットロディマスは表情豊かなキャラであることを考えるとあってもよかったなあ。
頭部を展開してゴーグルを装着する事ができます。ゴーグルは薄いクリアパーツなのですが、ヒンジがちょっと固いので取扱には注意。
ゴーグルを装着して。ゴーグルは「トランスフォーマー ザ・ムービー」の冒頭で使っていたのが印象的。それ以外で使ったことないような…?
上半身。フラットな胸部は賛否あるようですが、「2010」の独特な未来的なデザインっぽさが強調されていてかっこいいと思う。ヘッドライトの内部もしっかりデザインされているのもいいですね。
胸部は横に展開することが可能。内部のディテールもしっかり作りこまれています。
「MP-10 コンボイVer.2.0」に付属するマトリクスを収納可能。横開きなのは「2010」の「第8話 コンボイの影」でのシーンが元になっています(実際はファイアーパターンの部分のみが開く形)。このシーンの他にもロディマスがマトリクスを胸に収めるシーンは何度かあるのですが、胸をすり抜けて入っていったりする形になっており、実際に胸を開けるのは「コンボイの影」のワンシーンのみなんじゃないかな?
上半身背面。ロディマスの特徴でもある背中の黄色いウイングは薄いパーツで出来ているので破損には要注意。スラスターは変形課程で自動的にせり上がる感じになっています。
下半身。足部分はビークルモードでは一切表に出ないこともあり、ツルンとした曲線が際立つ作りになっています。
下半身背面。おしり部分にはフィギュアスタンド用の穴が設けられています。
もうひとつ「フォトンレーザーβ」。劇中ではロディマスが銃を使う機会は非常に少なく、あまり印象のない武器ではありますが、今回のものは旧G1玩具のデザインがベースとなっているようで、さらに新しい解釈での細かいディテールが施されており、「MP-9 ホットロディマス」版ともまた違った感じになっています。
「ソウブレード」。拳を収納するとジョイントが現れるので、そこに取り付けます(左右どちらでも取り付け可能)。刃の部分はくるくる回転させることができます。「トランスフォーマー ザ・ムービー」ではクインテッサ星人の支配する星へ不時着した際に、水中でイカ?型のモンスターと戦った時に活用しました。光速で回転している感じがいいですね。
そして「フィッシングロッド」。これは「ザ・ムービー」の冒頭でダニエルと一緒に釣りをしていたシーンを再現できるものになります。釣竿自体にギミック等はありません。
【変形】
続いて変形をざっくりと見ていきましょう。取扱説明書ではビークルモードからロボットモードへの変形ですが、ここでは逆に説明します。
①つま先とかかとを倒し、ふくらはぎ部分のプレートを開きます。
②膝部分を折り込み、膝下部分側に収納してパネルを閉じます。この際、丸く囲った膝部分にあたる部分をフンドシ部分の下に入り込むようにします。
③背中のウイングを回転し、腕の付け根のジョイントを外します。
④背中からキャノピー部分と、リア部分のジョイントを外し展開します。
⑤リア部分から後輪カウルを展開し、テールランプを起こします。その後リア部分と脚部を内部のジョイントで固定します。
⑥首の両サイドのパネルを起こします。拳をパネルを開き収納し、肩部分を後ろ側に180°回転させ、さらに腕部分も180°回転させます。
⑦脇腹部分を展開し、腕を挙げる形にして内部のヒンジを折り込み固定します。また、頭部を回転させエンジン部分を表に出します。その後、フロント部分を後ろ側に倒し、各部ジョイントを固定すればビークルモードの出来上がり!
【ビークルモード】
というわけでビークルモード。カスタムされたスーパーカーに変形。実在の車ではなく、セイバートロン星のビークル的なフューチャーカーとなります。それまで実在の車がモチーフだったトランスフォーマーに新しい流れをつくりだしたと言っても過言ではなく、その独特なフォルムは当時自分を含めた子どもたちを熱狂させました。今回のマスターピース化にあたってのビークルモードのデザインはロストエイジ」ムービーアドバンスドシリーズ「AD27 バンブルビー」などを手掛けたことでお馴染みの大西裕弥氏によるものとなり、まずはこのビークルモードのデザインありきで変形機構が考えられたとのこと。変形は「MP-9 ロディマスコンボイ」とはパーツの配置などは共通点は見られるものの、総じてストレスなくきっちりと変形できるようになっているのですが、唯一残念ポイントはフロントライト部分のパーツの合わせがよくないこと(個体差があるようですが)。中央のパーツが内部の接着剤のせいで少し浮いた感じなってしまっているのが原因なのですが、これについてはまた後ほど。
背面。銀メッキのエグゾーストパイプがいいですね。ボディはかなり薄く、独特のフォルムをよく再現しています。
前面と背面。
横から。今回、ちゃんと変形させないと車体底面にあるロボットモード時の首元部分のパーツが地面に当ってしまい、転がし走行がうまく行きません。ここはもう少し余裕をもって車高を高くしてくれたら嬉しかったな。
ルーフ部分には「フォトンレーザー」を2丁装着することが可能。銃を挿す差込口はスプリングで蓋がされるようになっており、武器を取り付けていない時は穴が目立たないように。
フロントのエンジン部分のメッキパーツを起こすことで、「フォトンレーザー」を取り付けることも可能。写真はαですが、もちろんβも取付可能。
取扱説明書にはありませんが、起こしたエンジン部分には「ソウブレード」を装着することもできます。
「MP-10 コンボイVer.2.0」のマトリクスを入れたままでも変形可能。
【おまけ:フロント部分の改修】
上で言った通り、管理人のホットロディマスはフロント部分(ロボットモードで腹部と脇腹に当たる部分)はちゃんと変形させても段差が生じ、きっちりツライチになりません。他の方のレビューなどを見ると、全部が全部そうではないようで、特に管理人のものは顕著に現れていたようです。今回のホットロディマスはビークルモードからデザインされたことはお伝えしましたが、この段差があるせいでせっかくのロディマスの特徴的であるフラットなフロント部分の良さが損なわれてしまっていてもったいない。なので、なんとかならないものかと試行錯誤してみた結果、ある程度の改修が出来たのでご紹介します。
注意!
改修にはある程度の工作に慣れている必要があります、とてもパーツが細かく、分解によって破損しやすい箇所となりますので、もし同様の症状が発生していて試される方は自己責任でお願い致します。
まず、よく観察して原因を調べてみたのですが、どうやら胸部にあたる側のパーツの左右が浮いているようでした。強く押し込んで見ても改善はされず、なにか中で詰まっているような感じを受けました。ということで、なんとか分解出来ないかと試してみたところ、意外と簡単に外せることが判明。写真の丸がついた部分当たりに、マイナスの精密ドライバーを差し込み上に持ち上げます。接着はされておらず、ハメ殺しでもないので簡単に外せました。ただ、土台部分含め細いパーツ構成になっているので慎重に。
外したパーツ。まるで囲んだ部分に注目していただけると分かるのですが、フロントライトにあたるクリアパーツの外側部分の接着剤がはみ出しています。これのせいでこのパーツの左右が浮き上がってしまっていたようです…
ということで、そのはみ出した接着剤をデザインナイフで除去(黄色部分)。クリアパーツ部分でもあるので、慎重に行いました。
そして、それを再びはめ込んだのがこの写真。どうでしょう?若干パーツに癖がついているのか、完全にツライチにはなっていませんが、段差が緩和されているのが分かると思います(今度接着してみようとも思う)。ちょっとしたところですが、ロディマスのビークルモードのデザインだからこそ、ここがフラットになるだけで大分満足度が違いますね!というか、あそこに接着剤は必要だったんだろうか…?
【比較】
「MP-9 ロディマスコンボイ」の「ホットロディマス」モードと比較。そもそもの大きさがかなり違う!「MP-9」の頃は、今のような「ロボットモードでのスケール統一」というルールはなかったし、コンセプトが単品としての完成度が求められていたシリーズなので仕方ないのですが、やっぱり「ホットロディマス」と「ロディマスコンボイ」を一緒の商品として出すのは大分無理がある話だし、それを結果はどうあれ形にしてるのはすごいと思います。あとは、劇中再現度で言うと、「MP-9」の方がイメージに近く、今回のものは玩具としてのアレンジが強い感じがします。
ビークルモードでも。ビークルモードの再現度としては今回のものがよりイメージに近い感じがします。というかG1玩具っぽさを感じるのかも。そして相変わらず「MP-9」の変形は恐ろしくめんどくさくてストレスが溜まりました…固いバネによる関節の経年劣化が怖い…
「ロディマスコンボイ」モードと。今回この「MP-28 ホットロディマス」が出たことによって、「ロディマスコンボイVer.2.0」の可能性も高まったんじゃないかと密かに思っているのですが…三宅&大西コンビでのロディマスコンボイが見てみたい!
変形ヘンケイ版「C-05 ホットロディマス」と。変形ヘンケイ版はこれはこれでとても良作で、個人的にかなり好きな玩具だったりします。
「MP-10 コンボイVer.2.0」と。「MP-27 アイアンハイド」でも感じたことですが、最近のマスターピースは細部のデザインはアニメのイメージが優先されていて、コンボイは今見るとディテールのアレンジがすぎるくらいに感じますね。
カーロボット系のお約束で、コンボイのトレーラーにしっかり入れることができます。ダニエルは「MP-22 ウルトラマグナス」付属のもの。
「MP-22 ウルトラマグナス」と。この調子で「2010」組のマスターピースが色々出てくれると嬉しいけど、「アーシー」や「スプラング」なんかはジェネレーションズでもかなりちゃんとしたものが出てるからなあ…「チャー」は欲しいけど、需要は少なそうだ…
「ウルトラマグナス」のビークルモードのキャリー部分に乗せることができます。ただ、コンボイのトレーラーのように後部のスロープから入れようとすると、ウイングが引っかかるので横から入れて上げる必要があります…
カーロボット系の代表である「MP-12 ランボル」と。ロディマスのほうが頭一つ分大きい感じですが、実際の設定でも「2010」のキャラは大きいみたいですね。
ビークルモードでも。タイヤの大きさ的にもし実車でロディマスがあったらもっと大きいのかな。
【可動・アクション】
可動はとても良好。動いて欲しいところはだいたい動いてくれます。個人的に肘関節が90°以上曲がってくれるのが嬉しい。足首も縦横に可動するので、接地性もしっかりしています。
立膝なども十分可能。また、今回腰部分が写真のように角度を付けられるようになっているのも面白い(お辞儀ができる)。以下写真続きまーす。
「トランスフォーマー ザ・ムービー」のロディマス登場冒頭シーンのイメージで。宣材画像などではこんな感じの写真になっているんですが、実際はあぐらではなく、普通に川べりに腰をかけている感じが正しいです。残念ながらちょうどよく座らせてあげられるものがなかった…
同じく「トランスフォーマー ザ・ムービー」のデストロンに乗っ取られたサイバトロンのシャトルを撃つイメージで。
「2010」の「第28話 重すぎた使命」での正座シーンっぽく。正座ポーズは「MP-9 ロディマスコンボイ」の再現度のほうが高いですね。
「MP-22 ウルトラマグナス」付属のダニエルと、「MP-21 バンブル」付属のエクセルスーツスパイクと一緒に。マスターピースでどんどんG1の世界が広がっていく感じがいいですね!
ビークルモードでも。子供のころホットロディマスとロディマスコンボイの未来的なビークルのデザインは本当にかっこよく感じたもので、たくさん絵を描いた覚えがあります。自分個人としてはトランスフォーマーはそういう幸せな子ども時代を唐突に思い出させてくれるからやめられないんだよなあ…
以上、マスターピースから「MP-28 ホットロディマス」でしたー!問題の「MP-9 ロディマスコンボイ」の発売からまる5年が経過し、今回全く新しいカーロボットサイズで発売された「ロディマスコンボイ」ですが、これまで紹介してきたものを見てもらえれば分かる通り、非常によい玩具となっています!ロボットモード、ビークルモードどちらもかっちりまとまり、変形も旧G1玩具を彷彿とさせる変に奇をてらわないストレスない変形で遊び心地がよいです。「MP-9 ロディマスコンボイ」での反省点をかなり意識的に詰め込んでいるようにも感じました。ボディのデザインやプロポーションはおそらく好き嫌いが別れるかもしれませんが、個人的に玩具的に落とし込まれた感じが「2010」放送時に描かれていた未来のかっこよさといいますか、レトロフューチャーといいますか、小さな子供だった自分が「かっこいい!」と思っていたビジョンと重なる感じがして気に入ってます。そういう個人的な思いで補正的なものを除いたとしても、十分トランスフォーマー好きの万人におススメできるものになっていると思います。
また、今回三宅氏と大西氏というマスターピースに初めて関わるデザイナーさんが担当されたわけですが、「MP-9 ロディマスコンボイ」というものがまず存在し、かつ人気キャラのロディマスであることもあり、必ず良いものを作ってやる!という緊張感が伝わってくるようでした。お二人はこれまでも良作と呼ばれるトランスフォーマーを数多く手掛けているので、今後もマスターピースの新しい風として是非携わっていってほしいです!