今日は「マスターピースムービーシリーズ」から「MPM-6 アイアンハイド」をご紹介!
商品名 | MPM-6 アイアンハイド |
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シリーズ名 | マスターピースムービーシリーズ |
クラス | – |
メーカー | タカラトミー |
発売時期 | 2018年12月15日 |
価格 | ¥15,000(税抜) |
ということで、マスターピースムービーシリーズから「アイアンハイド」です!ついに実写映画第1作に登場したアイアンハイドがマスターピース化!オートボットの武器担当となり、劇中での活躍や壮絶な最期を遂げたことなどからオートボットの中でも人気の高いキャラです。そういうこともあり、これまでもたくさんのアイアンハイドトイが発売されてきましたが、その独特な体型からかどれも良作ではありながら決定版と呼べるものがなかったように思います。そして劇場公開から10年以上が経ち、ようやく「マスターピース」で登場することになりました!事前に公開された写真などでは、アイアンハイドのずんぐりとしたスタイルや、映像さながらの光沢のあるボディが非常にかっこよく、とても期待値の高いものになっていました。海外でも全く同じ仕様で発売されるものですが、当初の予定よりも発売が伸びており、ほとんど日本と同じタイミングで発売となっています。それではいってみましょー。
【パッケージ】
パッケージ。パッケージは「MPM-4 オプティマスプライム」と同じ大きさですが、縦のデザインになっています。相変わらずパッケージ裏は最低限のギミックを載せた簡素な作り。「Posable Neck」よりももっと推せる部分はあるような…ちなみに、わくわくしてすぐに開けてしまったので、パッケージ内の写真は撮り忘れてしまいましたが、中身はロボットモードで収納されています。
【ロボットモード】
ロボットモード。めちゃくちゃかっこいい…まるで映画の設定画像をそのまま見ているような、まさに欲しかったアイアンハイドが我が家に…!劇中そのままのずんぐりとしたボディに、光沢のある黒々とした塗装、アイアンハイドの重量感あるボディを具現化したようなダイキャスト製の足、巨大な2つの武器など、とても見ごたえがあります。また、ダイキャストパーツが各所に使われているおかげで実際の重さもかなりずっしりしています。しかし、実はこのアイアンハイド、いくつか重要な問題を抱えています…それもふまえじっくり見ていきたいと思います。
背面。背中もすっきり。肩から伸びるプレートや、腕のプレートなど若干劇中デザインよりも大きいのですが、パーツの配置的には元のデザインに忠実な感じになっています。
前面&背面。
側面。腕の付け根が肩の後ろ側にあるので、横からみるとちょっと不思議な感じに。
バストアップ。複雑な左右非対称の頭部もしっかり再現されています。ちなみにこのマスターピース版が発表されたときから右目の周りのデザインが若干変更になっています。右目は歴戦の戦士らしくダメージを受けて歪んでいるのですが、タレ目になっていたのが修正され、よりかっこいい感じになっています。
頭部のギミックとして口が開閉できます。
上半身。複雑なボディのデザインはさすがにそのままとはいかない部分もありますが、かなり忠実に再現されています。胸中央のバンパーが変形した部分はダミーでの造形ですが、内部的にはこの裏側にちゃんとバンパー部分がこの形で収納されているのがすごい。股間部分にはダイキャストパーツが使用されています。
指もよく動いてくれます。全指が第2関節から曲がり、また親指と人指し指は独立して動きます。
今回のアイアンハイドは赤枠で囲った部分がかなりフレキシブルに動きます。劇中でもここはグリグリ動いていたので、それを再現したものと思いますが、腕を動かすときにこの部分もついてきてしまうのでできればかっちり固定もできるようにしてほしかった。というか、定位置がいまいち分からないというのが気持ち悪いのかも。
上半身背面。この背中のパーツがとんでもない爆弾を抱えています…これについては後述。
背中は大きく前屈できるようになっています。
下半身前面。膝とつま先などにダイキャストパーツが使用されていてとてもリアル。複雑な脚部の形状もしっかり再現されています。うーん、かっこいい。
下半身背面。今回太ももの付け根のタイヤがダミーではなく、ちゃんと後輪が配置されているのがすごい!「これは玩具じゃ再現無理だよなあ…」と長年思っていた箇所なので、これが再現されたのはとても嬉しい。また、おしりにはフィギュアスタンド用の穴がありますが、重いのでここだけで支えるのはなかなか難しいかも。
股間部分には引き出せる関節が設けられています。結構硬めで最初はこの関節に気づかなかった…
武器は脱着式の左右のキャノン砲。先端の砲部分は回転します。ちなみに、管理人のものはこの武器を取り付けているプレートと腕の接続のジョイントが外れやすかったです。ジョイントのきつさというよりは、ひっかかりの力で固定されている感じで、ちょっとしたことで外れてしまいます。なので、管理人は腕側の凸部分を少し太らせて固定されやすように調整しました。
左側。こちらも先端が回転。劇中では電磁パルスなようなものを出して車を走行不能にするのにも使われていましたね。武器に関してはこの2つのみで、『ダークサイド・ムーン』時に使用していた銃などは付属せず。
【ビークルモード】
ビークルモード。ゼネラルモーターズのピックアップトラック「GMC・トップキック C4500」に変形。さすがマスターピースだけあってビークルの再現度はかなり高い!また、黒いボディは全面に光沢のある塗装が施されておりそれもかっこいい。細部も細かく塗装されています。
背面。後部のオートボットマークもしっかり再現。リアのライトも全部ちゃんと塗り分けられ、GMCのロゴもちゃんと塗装されています。
そして、変形は正直かなり難易度が高いです。しかも、変形の手順が多くて難しいとかではなく、ボンネットやルーフのパネルの合わせがかなり難しい。あっちをはめればこっちが外れ…のような感じで、触り始めはかなり苦戦します。レビューなどで「ちゃんと変形できない」というのを見かけましたが、おそらくそれはどこかはめるべきジョイントがはまっていないか、関節の折りの角度が足りないとかで、ちょっとしたズレで隙間ができてキッチリはまらなくなります。そういう意味では、今回パーツごとの精度は高いように思います。逆にその分遊びが少なくなっているのかも。説明書も分かりやすく説明しようとかなり頑張っているとは思うのですが、それでも留めるべきジョイント(特に裏面)の記述ない箇所が多い…初心者にはかなり優しくない感じです。
全面&背面。
側面。リア部分の4×4の表記もしっかり再現されています。
底面。
武器を付けて。左右のサイドに5mm穴があるので、そこに取り付けます。
逆側。
【比較】
続いて色々比較していきたいと思います。まずは映画第1作時に発売されたボイジャークラス「MA-09 アイアンハイド」と。10年の月日の流れを感じざるを得ない進化。「MA-09」はすごく野心的な変形をし、オートモーフもすごいのですが、これも胸部分の変形が「これで合ってるのか…」というふわっとした部分がありました。けど、個人的にはとても好きな玩具。
ビークルモード。ビークルモードは当時から再現度高め。ちなみに、「MA-09」は海外では重塗装版のプレミアムエディションというものがあるのですが、なにげに今でも欲しくて探してたり。
『ダークサイド・ムーン』時に発売されたリーダークラス「DA16 アルティメットアイアンハイド」と。「DA16」はアイアンハイドトイの中でも一番大きいもの。これはこれでギミック山盛りで好きですが、スタイルが劇中に比べるとだいぶスラッとした感じになっています。
ビークルモードでも。
スタジオシリーズ版「SS-15 アイアンハイド」と。こんな短期間で似た感じのアイアンハイド玩具が2種も…と思ってましたが、触ってみるとさすがに全然別物で、やっぱりマスターピース版のほうが満足感がとても高い。
ビークルモードでも。
マスターピースムービーシリーズのオートボットたちと。左は「MPM-4 オプティマスプライム」、中央は「MPM-3 バンブルビー」。実際の身長差は再現はされていませんが、並んだときの満足度はなかなかのもの。あとはジャズとラチェットがちゃんと揃えばいいなあ。しかし、「MPM-3 バンブルビー」の時点では世界同時展開で価格も抑えられてるし、良いシリーズになる予感しかなかったけど、今は出るたび悪い意味でドキドキしなくてはいけないような感じなのが悲しい…
ビークルモード。アイアンハイドがでかめ。
【可動・アクション】
可動はこの体型ながらかなりしっかり動いてくれます。この辺りはさすがマスターピースと言った感じで、劇中での印象的なポーズを取れるように作られているように思います。また、スタジオシリーズでは実現していなかった足首の横の可動もあるので接地もしっかりしているのもポイント高し。ただ、前述の通り、腕を動かすと肩もついてきてしまうので、ポーズを決めるのに少し神経を使います。以下、写真続きまーす。
腰も回転に加え、前屈もできるのでダイナミックなポーズを取らせることができます。
口の開閉があるとさらに表情がついていい感じ。
【遊ぶ上での注意点】
最後に、遊ぶ上でどうしても注意が必要な部分があります。それは写真の赤丸部分。これはロボットモード時に背中に配置されるパーツですが、赤丸部分は見て分かるよう白化してしまっています。この部分は変形時に力がかかってしまうということと、本来の変形と逆の方向に曲げてしまうと一気に白化が進み、最悪折れてしまいます(しかも比較的簡単に)。Amazonのレビューや、Twitterでもここが折れた!という報告がたくさんあり、管理人のものも風前の灯火で、むしろ折ってしまいたい衝動に駆られます(カリギュラ効果的な…)。もう、ここは対策法は「折らないように注意するしかない」です。
これは製造上の品質というよりは、設計上の問題なような気がします。素材が当初より柔くなってしまった、などの可能性もありますが、少なくとももっと太くして、負荷がかからないようにできたはず。
ちなみに管理人は真鍮線を通して補強できないか挑戦してみようと思っています。結果はまたここに追記する形で報告したいと思います!
【2018/12/29追記】
ということで、背中のパーツを真鍮線を使って補強してみました。発火した部分を中心にブリッジを入れるような感じでピンバイスで穴を開け、ABS専用の接着剤を注入し真鍮線(0.8mm)をいれました。果たしてこれでどのぐらい強度が上がってるかは正直疑問なところはありますが、まあ自己満足ということで。そしてコメントでも頂いておりますが、どうやらここが細くない個体もあるようです(海外版は全部そうなのかな?)。そう考えると、なぜ日本版でわざわざここが削られたかは謎ですね…
以上「マスターピースムービーシリーズ」から「MPM-6 アイアンハイド」でした。色々問題を抱えているのは間違いないのですが、めちゃくちゃかっこいいのも間違いないです。求めていた体型、求めていたボリューム、求めていたデザインを再現していて、可動範囲も申し分ありません。この感動は『リベンジ』時にリーダークラスのオプティマスが作り直されたものを初めて触ったときのものに似ていると感じました。変形は確かに難しいです。かなりタイトで、正確に変形させないとかっちり変形できません。また、細部をよく観察してみると、あとから加工したような跡もあり、おそらくなのですが当初の情報よりも発売がおくれたのはなにかしらの調整が必要だったからではではないかと想像します。「MPM-4 オプティマスプライム」や「ゴッドファイヤーコンボイ」の件もあり、タカラトミーもかなり品質には慎重になっていると思います。その上でギリギリまで調整したものが今回のアイアンハイドだったのではないかと思います。
今回、管理人はこの「MPM-6 アイアンハイド」をとても期待をしていました。このアイアンハイドで「MPM-4 オプティマスプライム」のマスターピースムービーシリーズの不名誉を払拭してくれると思っていましたし、実際、触った感想は上に書いたとおりでめちゃくちゃかっこいいし、「MPM-3 バンブルビー」と同等の満足感を感じています。ジョイントの緩さは自分で調整できるし、背中のパーツが折れそうなのも補強すればいいや、くらいに思える魅力を持っている玩具だと思います。けれど、管理人がいくら気に入っていようが、今回のこの状況で「オススメです」とは言うことはできません…むしろトランスフォーマーに慣れていて、かつ自分で修理や補修ができる人以外にはオススメできません。
今トランスフォーマーファンの間で、品質についてセンシティブな状態が続いています。何か少しでも悪ければすぐにSNSやAmazonのレビューにネガティブな意見が溢れます。それもあって、今回のアイアンハイドには頑張ってほしかった…せっかく良いものなのに本当に悔しいです。とまあ、長々と書きましたが、あくまで個人としてはとてもかっこよく、求めていた姿のアイアンハイドなので、納得行くまで調整して大事にしていきたいと思います。