今日はマスターピースから「MP-47 ハウンド」をご紹介!
商品名 | MP-47 ハウンド |
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シリーズ名 | マスターピース |
クラス | – |
メーカー | タカラトミー |
発売時期 | 2019年12月26日 |
価格 | ¥18,000(税抜) |
ということで、マスターピース版「ハウンド」です!「ハウンド」は『戦え!超ロボット生命体トランスフォーマー』に登場したサイバトロンの戦士で、今回初マスターピース化となります。アニメではバンブルよりも先にスパイクの相棒のような形で描かれることもあり、初代アニメを語るには欠かせないキャラクターです。このマスターピース版が公開されたのは2018年の「ワンダーフェスティバル2018夏」でのサプライズ展示となり、そこから1年以上経ちようやく発売となりました(その後に公開された「MP-45 バンブル Ver.2.0」や「MP-46 ブラックウィドー」のほうが先に発売)。ビークルモードである「ウィリスジープ CJ-3B」もしっかりJeepのライセンスを取得したものとなっています。それではいってみましょー!
【パッケージ】
パッケージ。いつものフォーマット。「Jeep」のロゴがカッコイイ。役職の英語の表記は「CYBERTRON AUTOBOT SCOUT」で合ってるのか…?「AUTOBOT」はいらないんじゃないだろうか…
中はこんな感じで付属品がびっしり詰まっています。
キャラクターカード。今回もイラストレータは判らず…
【ロボットモード】
ロボットモード。まさにアニメの「ハウンド」と言った出で立ち。若干腕が短いかな?と感じますが、全体的にはプロポーションも良好。脚部が下に向かって広がっている感じも当時のデザインを忠実に再現しています。緑の部分はビークルにあわせてつや消しになっていてサラサラした質感になっていて、他のマスターピースたちは光沢塗装が多いこともあり新鮮に写ります。
背面。背中にフロントガラスがくる変形もしっかり再現。裏側も隙なく作り込まれているのはさすが。え?左足のふくらはぎのヒンジ部分が折れてピンが見えてるって…?まあまあ、気にしない!(これについては最後に…)
前面&背面。
側面。
バストアップ。通常顔は優しげな表情。目の下が外側に開いているのでちょっとタレ目っぽく見えるかな?
交換用フェイスパーツは通常顔含め3種は付属。左が「笑顔」、右が「叫び顔」。笑顔はなんか不敵な感じ。差し替えは頭部パーツを上に開けて、マスクの交換を行います。
バイザー。バイザーは頭部に収納されていて、差し替え無しで装備できます。これは第2話「ルビークリスタルの秘密」で川で足がハマってスパイクに助けてもらったあと浮上するとき一瞬だけ使用していたもの。
上半身。久々にビークルの意匠をそのまま使ったマスターピースなような気がする…
拳は開くことができます。親指と、それ以外の指で別れて動かすことができ、さらに手の付け根部分から動かすことができるようになっています。
今回のハウンドの残念ポイントの1つとして、首部分を胴体に接続できず、遊んでいると浮いてきてしまいます。ビークルモード時のボンネットを分割したり、穴を開けてはいけないというライセンス的制約があったのならば仕方ない気もするけど、正直この仕様はマスターピースとして少々お粗末なように感じます…頻繁に重力に逆らって浮こうとするので、今回のレビューでは首部分に両面テープを貼って浮かないようにして撮影しました…
上半身背面。背中のパーツ配置も劇中通り。ハンドルが飛び出しているのがちょっと気になるかな?
下半身。今回ビークルモードのタイヤが全くおもてに来てないのが結構すごい。
下半身背面。腰部にフィギュアスタンド用の穴らしきもの(緑の部分)があるのですが、穴が大きすぎて刺さらず…TFパワーベースも取付不可。何を刺す用の穴なんだ…?
続いて武器。まずは「ホログラムガン」。劇中を忠実に再現していますが、武器としてはかなり小ぶり。
「ホログラムエフェクト」を取り付けて。フォログラムを投影しているのを再現しています。
ホログラムガンは分割することで、ヒザ下に収納することができます。ちなみに、タイヤはこんな感じで折りたたんで収納されています。
「ミサイルランチャー」。ビークルモードから差し替え無しでパーツが変形して形作られています。上部にミサイルを飛ばすようなつまみがありますが、もちろんミサイルは飛びません。
後ろに回して非戦闘時のポジション。説明書にも書かれている遊び方です。
「檻の鍵」。第3話「地球脱出」で登場したアイテム。腰に鍵をかける専用のフックが用意されています。これをつけるならどっかのヒンジのプラスティックの強度を上げるのに割いて欲しかったなあ…なんて。
ビークルモードの「幌パーツ」をシールドとして持たせることができます。見た目的にもあまりかっこよくなく、更にはめちゃくちゃに持たせにくいし、保持も大変…オマケギミックなんだろうけど、やるならもうちょっとなんとかして欲しかった…
幌パーツは背中に取り付けることもできます。
【スパイク】
「スパイク」。ハウンドのビークルモードに乗る用ということで、これまで過去付属してきた人間フィギュアよりサイズアップされています。
ハウンドと。トランスフォーマーのアニメはサイズの概念はめちゃくちゃなので、こうやっていろんなサイズのスパイクが増えていくことになりますが、これまでのスパイクとかに比べれば一番しっくり来るサイズのように感じます。大きい分いじりやすいしね。
【ビークルモード】
ビークルモード。「ウィリスジープ CJ-3B」に変形。Jeepの監修を受けているだけあって、再現度はなかなかのもの。ただ、実車の写真と見比べてみると底部のボリュームがあって、サイドのプレートもあるせいかけっこうフォルムはゴツめになっています。こういう仕様もあるのかな…?
背面。運転席のメーターなどの計器類もしっかり再現されています。荷台のレーザースコープと予備のタイヤ、ジェリカンは取り外し可能。
変形はここ最近のマスターピースと比べると比較的素直な変形と言えるような気がします。後輪のタイヤを畳んで隠したり、後部のレーザースコープや予備タイヤ、ジェリカンをつけたままロボットモードでは完全に見えなくなって、代わりに肩のミサイルランチャーが出てくるのも面白いです。けど、各部のヒンジや、プレートの薄さなどもあり変形にはとても気を使います。最後の方でも書きますが、破損の危険をはらむ部分が何箇所かあって、「MP-44 コンボイ Ver.3.0」や「MP-45 バンブル Ver.2.0」は複雑ながらその辺は考えられているように感じたのですが、このハウンドはすっぽりとそこが抜けている感じ…頭部の処理もそうだけど、これまでのトランスフォーマー開発で積み上げたセオリーみたいのが忘れられているような、そんな印象を受けました…
前面&背面。
側面。
底面。こうみると結構変形はシンプルなんじゃ?と感じるかもしれませんが、そんなことはありません…
ボンネットは開閉可能。内部の再現はされていません。
付属する「幌パーツ」を取り付けて。これは第24話「アトランティス浮上!」で水中走行をした1シーンを再現できるもの。
後ろから。
幌のパーツの中には小物を収納することが可能。機関銃も取り外して収納できますが、機関銃をビークルにつけたままでも幌パーツは取り付けられます。
ホログラムガンも収納したまま変形できます。
スパイクを搭乗させることができます。スパイクの足の底に穴があって、運転席下部(アクセル位置)にあるピンに接続できます。
「ホログラムフィギュア」が付属。第2話「ルビークリスタルの秘密」の1シーンを再現できますが、映像ではこんな『かまいたちの夜』みたいな青い人ではなく、普通に色のついた半透明な人でした。
どちらの座席にも座れせることができます。このサイズでスパークプラグとカーリーが欲しいな。
【比較】
最新の「ハウンド」であるシージ版「SG-12 ハウンド」と。シージのハウンドは結構ゴツめ。実写版のハウンドがあんな感じだから、なんとなく自然に受け入れてるけど、元のアニメ版は堀内賢雄さんの声の優しい感じのキャラなんだよなあ。
ビークルモードでも。
変形ヘンケイ版「C-13 ハウンド」と。
ビークルモードでも。
今年発売されたG1系のマスターピースたちと。左が「MP-45 バンブル Ver.2.0」、右が「MP-44 コンボイ Ver.3.0」と。ロボットモードでこうやってアニメ再現のキャラがどんどん揃うのは楽しい。
ビークルモードでも。ロボットモードではアニメ準拠だけど、ビークルモードはなんだかコンセプトがちぐはぐになってきているような…
【可動・アクション】
可動は文句なし。アクションフィギュア顔負けの圧倒的な可動範囲を備えています。難点と言えばポーズを付けているうちに首が浮いてくるくらい。以下写真続きまーす。
股関節もパンツパーツごと動くので膝立ちも余裕。腰も前方に曲がるのでより自然にポーズが決まります。
第2話「ルビークリスタルの秘密」の1シーンを再現。このシーンは何よりスパイクの怪力具合に驚きます。
フィギュアスタンドをさせる穴はないので、スタンド側のアームで挟んでいます。
ビークルモードでも。
ハウンド「こんな事もできるぜ」
スパイク「誰なの!?」
幌はフィギュアを乗せたままかぶせることができます。
【パーツの破損について】
今回の「MP-47 ハウンド」には扱う上で破損に気をつけなくてはいけないポイントがいくつかあります。大きく3箇所あり、うち2箇所は管理人も実際に壊れました…一応言っておきますと、管理人は雑に扱うタイプでは決してなく、至って普通に遊んでいて破損しました。これから購入する方や、すでに購入して破損していない方も今後遊ぶ際、以下を参考に注意して扱っていただければと思います。
まずはロボットモードで背中のビークルモードのサイド部分を接続するヒンジ部分が割れます。三角マークのあるパーツをボディ側に押し込みすぎると破損の危険性が高まりまるので注意(タイヤがストッパーになってますが、ヒンジにヒビが入っていると壊れます)。
次にふくらはぎ裏のプレートを接続するヒンジ部分。管理人のものは初めてビークルモードからロボットモードに変形する際に即壊れました…プレートを下げる際、縁が外側のプレートに乗り上げる形になり、テコのようにヒンジ部分に力がかかって割れてしまったようです…(あまりに簡単に弾けたので最初からクラックは入っていたんじゃないかな?と思っています)
もう1つはかかと部分のプレートを接続するヒンジ。管理人のものは壊れていませんが、この部分の破損報告もよく見ました。変形の際、外側に開きすぎると負荷がかかってしまうので注意が必要です。
この3箇所(左右なので計6箇所)はいずれも細いヒンジ部分で、さらに塗装が施されている部分になります。これらの部分はいずれも素材はABSが使われていると思われるのですが、ABSは溶剤に弱い素材で(ガンプラのABSパーツを塗装して割れちゃった、なんて人も多いと思います)、今回破損してしまう部分は細く強度が低い上に、さらに塗装が侵食しクラックが入ってしまった(もしくはもろくなってしまった)のではないかと推測します。ABSに塗装が施されるのは普通によくあることですが、今回は力がかかるヒンジ部分であったことがより破損の可能性を高めてしまったのではないでしょうか。また、経年によっても進行する可能性がないとは言えず、今は大丈夫でも数年後に久しぶりに見たら壊れてる…なんてこともありそうでとても怖いです。
以上、マスターピースから「MP-47 ハウンド」でしたー!『戦え!超ロボット生命体トランスフォーマー』でも堀内賢雄さんの声ということもあり好きなキャラで、今回は久々にビークルの意匠を大きく使ったトランスフォーマーらしいマスターピースになると思いとても楽しみにしていました(発表からだいぶ待たされたこともあり)。触ってみるとロボットモード、ビークルモードの再現度は素晴らしく、首の処理はもう少し頑張ってほしかったけど、可動も申し分なく、ポーズ付けなどはとても楽しいです。あとは続々と揃う初代アニメの劇中そっくりのキャラがそろっていくのはやっぱり嬉しいです。
ただ、変形は期待したような気持ちよさのようなものは少なく、細いヒンジで繋がれた薄いパーツをそろそろと気をつけて移動させなくてはいけなく、実際に管理人のものは上記のように細いヒンジが壊れてしまいました…トランスフォーマーは特に変形時の破損に気を使われているはずで、ある程度ガシガシ遊んでも大丈夫な感覚でいたし、ハイエイジ向けのマスターピースであったとしても、最低限そういうトランスフォーマーとしてのセオリーのようなものは守られていると思っていました(「MP-44 コンボイ Ver.3.0」や「MP-45 バンブル Ver.2.0」もそこは守られていると感じています)。しかし、今回のハウンドはそれがすっぽり忘れられているような印象を受け、作っている人たちがまるっと変わってしまったのでは?と思うほどで、とても寂しい気持ちになりました…今こんなことを言ってもしょうがないですが、「MP-10 コンボイ」の流れの「プロール」や「ホイルジャック」みたいな感じのハウンドが遊びたかった。決して複雑でデリケートな変形じゃなくても、ハウンドだったらもっとシンプルな違うやり方もあったんじゃないかな…と思ってしまいます。
破損しにくく作られていたら、首のことがあったとしても全然評価は違ったと思いますし、管理人がたまたま壊れたから評価が低いのも否めませんが、これから購入を検討している方や、すでに持っている方も破損に十分注意するに越したことはありません。2019年に発売されたマスターピースは心配事が絶えないものばかりだったけど、今後はどうなっていくのか…タカラトミーには「マスターピース」という言葉の意味をもう一度よく考えてみて欲しいなあ、と願います。
ギミックや見た目の再現に注力しすぎて肝心な変形がおざなりになるのはなんか違う気がする…
首が浮くのもリバースメガトロンじゃあるまいし