今日は「マスターピース」シリーズから「MP-10 コンボイVer.2.0」をご紹介!
※この記事は旧ブログに2011年11月3日に掲載したもののリニューアル版です。
商品名 | MP-10コンボイ(Ver.2.0) |
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シリーズ名 | マスターピース |
クラス | – |
メーカー | タカラトミー |
発売時期 | 2011年9月 |
価格 | ¥22,000(税抜) |
ということで、マスターピース記念すべき10作目「総司令官コンボイVer.2.0」です!マスターピース第1作の「MP-1 コンボイ」が発売されたのが2003年。8年の歳月を経て、そのコンボイが完全リニューアルされて登場です!完全リニューアルということで、デザインはもちろんのこと、変形機構もMP-1とは違うものになっており、更にコンテナが最初から付属(最初から付属ではないほうがおかしい訳ですが)。また、待望のローラー(これも待望であってはいけないと思う)、そしてアニメ「戦え!超ロボット生命体トランスフォーマー」に登場した人間側の主役スパイクが付属という、「誰にも付属品では文句を言わせないぞ」というタカトミ側の意気込みを感じるものとなっています。そのせいもあってか、値段は定価23,100円というタカラトミーのトランスフォーマー玩具史上最高額のものになっています。
さてコンボイのレビューに入る前に、MP-9ロディマスコンボイの話をしましょう。2011年の1月に「2010」イヤーを締めくくる形でそれは発売されました。マスターピースというブランドはこれまでも色々なものが発売されていますが、どれも癖はありながら総合的にはよい物であったと思います。しかし、このロディマスコンボイは違いました。明らかに品質管理上の欠陥が多く見られ、「タイト」の一言では片付けられない変形のしにくさ、まともに持てない武器、外れやすいパーツで、17,640円と非常に高額でありながらも楽しく遊べるようなものではありませんでした。そうして管理人の中で起こったのが「マスターピースシリーズ」に対する「不信感」です。これはAmazonでのレビューなどを見ていただけば、管理人一人の意見ではないことが分かっていただけると思います。
そして、このMP-10コンボイが発表された時こう思いました。「このコンボイもロディマスコンボイみたいに品質が悪いんじゃないか…」と。ロディマスから半年ほどで発表されたということもあり、その気持ちは大きく、その反面「きっとロディマスの時のユーザーの声はタカラトミーに伝わっているはず」という淡い期待もありました。また、発表されたMP-10コンボイの画像はとてもかっこよく、かつかっちりしたものに見え(ロディマスもそうだったけど)、期待半分、不安半分といった所で2011年9月、発売を迎えることになりました。
今回の「MP-10 コンボイVer.2.0」はMP-9ロディマスコンボイのサイズに合わせて作られており、今後はこのサイズを元に同スケール(主にロボットモード)でマスターピースが発売されることとなるということで、新生マスターピースの第1弾としてのフラグシップ的な役割も持っています。果たしてこの「MP-10コンボイver.2.0」は僕らの期待に応えたのか、それとも裏切ったのか…今回、ロディマスの件もあるので若干厳しい目で見たレビューになっていることを予め御了承ください。それではいってみましょう!!
【パッケージ&内容物】
まずはパッケージ。これまでのマスターピースと同じ体裁。せっかくこれからサイズ比を合わせた新生MPを開始する、と言っているんだから、そろそろこの古臭いデザインを何とかすべきだったんじゃ…けど、こっから先直されても困るからもうこれでいいけど…
箱を開けて中身を取り出すとこんな感じ。せっかくきれいに並べて入れてくれているので、パッケージに蓋を付けて中身が見れるようになってたら嬉しかったな。
取扱説明書の中身。そのページで遊び方を説明しつつ、劇中での設定や解説があり「遊びながら学べる」取扱説明書となっています。写真には映っていませんが、裏表紙にはこれまでの「コンボイ(もしくはオプティマスプライム)」と呼ばれた玩具の一覧が掲載されています。
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そして、管理人は写真を撮りながら、パッケージを開けていざコンボイ本体を取り出してみたときに事件は起こりました…
ということで、管理人のトランスフォーマー史上初の交換に出すことに…交換に出すので、このまま遊ぶわけにもいかず、これがあったことでMPコンボイver.2.0祭りに乗り遅れ寂しい気分を味わいました…また、ロディマスコンボイで「品質が…」ということを気にしていた矢先の出来事だったので、管理人の中でのこのコンボイに対する懐疑心はさらに高まることに…そして、コンボイが戻ってきたのは約10日後。ということで、レビューを再開します。
【コンボイ本体】
まずは、この「MP-10コンボイver.2.0」の制作を担当した蓮井章悟氏について少し触れておこうかと思います。今回のコンボイについてはいつもよりもクリエイターの顔が前面に出ていたな、という印象があり、より開発者の直の声をユーザーに伝えよう、ユーザーの声も大事にしていこう、という意気込みを感じました。それを一番感じたのは6月に行われた「東京おもちゃショー」(レポートはコチラ)。発表会とトークショーを兼ねたイベントや、その後ブースで直接ユーザーの声を直接聞くという場面も見られ、これは個人的な感想なのですが、ロディマスコンボイで与えた不安感を払拭するための取り組みのように感じられました。下が発表会での映像です。
蓮井氏は1999年にタカラトミー入社(当時はタカラ)。「ビーストウォーズリターンズ」以降の海外商品を多く手がけ、07年の映画では海外事業統括本部グローバル開発グループトランスフォーマー開発チーム主任となり、実写版の玩具開発の中心を担って来ました。また、これまで多くのスタースクリーム玩具を手がけていることから「ミスタースタースクリーム」と呼ばれることも。最近ではアニメイテッド玩具も数多く手がけており、そのキャラクターの印象をしっかり出すことと、オーソドックスながら小気味の良い変形機構を作り出すことでファンも多いです。そしてこのMP10コンボイver.2.0が蓮井氏の初マスターピースとなります。さて、それでは玩具の方を見て行きましょう。
ロボットモード。まず一言。めちゃめちゃかっこいい!!まさにコンボイ!非常にかっちりとした印象で、なんというか見ていて不安な所がない。若干腕が長いかなーという印象はありますが許容範囲。蓮井氏曰く「初代アニメーションのイメージを増幅したもの」、そして「アニメ設定よりもアニメーションに登場した姿」を目指したということで、その言葉通り劇中のイメージに非常に近くなっています。そしてスタイルに関してはムービーやアニメイテッドで培われたキャラクターらしさを前面に押し出したものとなっています。普通に立たせても胸を張ってるような感じになるのもかっこよいです。
背面。余剰パーツがなく非常にすっきりとした背中。完全に再現されているわけではありませんが、バックパック部分もアニメの設定になんとなく近いくなっています。こちらも蓮井氏は「背中で語れるヒーローになっている」と言っており、確かにその感じは出ているのではないでしょうか。
3面。まっすぐ立たせてみると、ちょっと腕の長さが気になるかも?横面は旧MPコンボイのときは胸が薄っぺらかったのに対し、今回はかなり厚みのある感じになりマッシブな感じがよく出てます。それでは、以下各部を詳しく見て行きましょう。
バストアップ。アニメでの顔にとても似せられてる感じですが、顔の造形に関しては非常に苦心したとのこと。角度によって表情が変わってみえるのも大きな特徴。両脇の角も非常にシャープに作られています。
顔をちょっと横からアップ。写真ではわかりにくいですが、目の部分は青いクリアになっており、中にシルバーのパーツがあるようで、光をあてると光って見えます。けど、目に関してはもっと明るくても良かったかな。また旧MPコンボイであったマスクが動くギミックは今回オミットされています。
首は左右に360度回転し、胴体部分のパネルの動きを含めると前後にもこのくらい動きます。今回、首部分がちゃんと作られているのも注目かな?
上半身。フロントガラスの中と、グリル部分がメッキで非常に見栄えが良いですね。
旧MPコンボイ同様、腕部分は引き出すことが出来、可動が広く確保できるようになっています。また、肩の部分のデザインはG1トイのデザインを元にしているとのこと。
手のひらは、親指は固定。人差し指が独立して動き、更に第1関節も動きます。ですが、この部分は外れやすく、管理人に至っては最初からついていないという…人差し指以外の3本は一体成型で指の付け根部分からのみ動きます。
そして今回、顔のマスクに続き、旧MPコンボイになった通信パネルがオミット。ここに描かれたキャラが次のMPになる、みたいなジンクス?もあったので、それがないのはちょっと残念。
コンボイ「…」
腰部分の黄色い部分は今回はクリアパーツで作られるという新解釈。クリアパーツの内部にディテールがあり、メカニックな感じが出ています。これに関しては賛否両論のようですが、個人的には見栄えがいいので全然OKな感じ。
背中。バックパックにはレーザーライフルを収納可能(後述)。また、バックパック脇のメッキパーツがついたパネルは今回のコンボイが初の解釈。ちなみにこれまでコンボイの背中がどんな感じで描かれてきたかをみてみましょう。
「トランスフォーマー ザ・ムービー」より。アニメ内では基本的にこの八角形?っぽい形。
左:コミック「The Animated Movie Adaptation」より。こちらもアニメに準じた形。
右:コミック「Spotlight:Optimus Prime」より。2007年ごろのコミックですが、ここでは角張ったバックパックになっています。まあ、コミックの表紙と中身でも形が違ったりで、作画担当のこだわりが背中によく出ている感じがしますね。
最後にマーベル・コミック版より。ここもアニメ版と同じような形ですね。ここまで見てきたとおり、バックパックの形は大きくはアニメに準拠しており、今回のMPもそれになんとなく似せているように感じますね。
脚部。今回の3大オミットの最後の一つ、旧MPであった脚の空気口の開閉ギミックがなくなっています。それほど大事な所ではありませんが、旧MPの詰め込まれた小ネタギミックがことごとくなくなっているのはちょっと残念。
脚部背面。注目すべきところは膝付近のメッキのタンク。これまで円柱で表現されていたものがアニメの作画に合わせて四角っぽいデザインに。また、今回のコンボイは後輪が収納されるようになっており、これは今回のMP-10の「進化の証」として取り入れられたものだそうです。
「トランスフォーマー ザ・ムービー」より。こんな感じで台形になっています。またアニメではロボットモードの時はタイヤは前輪含め完全に見えなくなっています。
コミック版だと、ディテール感を増すためかタイヤが脚部に付いているものが多いです。左は「All Hail Megatron」版。これは完全に泥よけ部分が後ろ側についており、正面から見るとタイヤがむき出しで見えるタイプ。右は「 More Than Meets the Eye Official Gudebook」の表紙から。上部にだけ泥よけ部分があり、後ろからも前からもタイヤが見えるタイプ。G1トイ準拠のデザインで、このパターンが一番多いかも。
足の裏。噴射口みたいのがあってかっこいい。こちらもコミックなど参考したものがあるようです。
【武器・ギミック】
続いて、付属の武器などについて。まずは「レーザーライフル」。コンボイの最も代表的な武器ですね。
手にもたせるとこんな感じ。武器側に突起があり、手のひらのくぼみに差し込めるのでかなり保持力は高いです。また、それを使わずとも、手のひらの握りは固めにできているのでそれだけで持つことができます。ロディマス…
このレーザーライフルはたたんで背中に収納する事が可能。まずは武器をたたんで写真のような形に。各部にバネが仕込まれており、武器の後ろ側にあるスイッチ(矢印部分」を押すと自動的に武器の形に展開します。ちなみに、折りたたんだ際のジョイントが若干緩めで、この収納形態にするのに最初ちょっと時間がかかった。慣れれば簡単ですけどね。この辺は「ダークサイド・ムーン」でのメックテックウェポン的な感じもしますね。
そして、折りたたんだレーザーライフルは背中のバックパックの中に収納できます。武器を入れて閉めると上にある背中側の写真のようになり、収納したまま変形することももちろん可能。この武器がたたまれて背中に収納されるのは今回が初なのですが、これは近年のアメコミ版でそういう描写があったのが影響しているのと、変形の時武器はどこからやってくるのか?と考えた際の答えとしてこのようになった模様。ちなみに、個人的にはハリウッド映画版のイオンブラスターを背中から出す感じもイメージが重なります。
ということで、アメコミ版の変形パターンがこちら。画集「The Art of IDW’s TransformersThe Art Of IDW’s Transformers」からなので、どの作品かはちょっと分からないのですが、しっかり背中に武器が収納される描写がありますね。
初代MPでは腕を収納してパーツを取り付ける形でしたが、今回はエナジーアックス側に右手と同じくぼみが付いており、拳にすっぽり被せる方式に。このおかげで左手には装備できません。ちなみに、この「エナジーアックス」ですが、実際に作中で使用したのは実は第2話「ルビークリスタルの秘密」の1度きりだったという…オープニングでそのシーンが毎回流れてたから、何度も使ってるように感じたのかもですね。
胸にはマトリックスが収納されています。胸のフロントガラス部分を開き、さらにその中に2枚のパネルで覆われており、奥深くにしまわれている感じが出されています。しかし、中のパネルは2枚一緒に動いてしまい、あまりその効果が出ていないのが残念。
中心のクリアブルーのコア以外は全てダイキャスト製。ずっしり重いです。この重さたまらん。
手にもたせるとこんな感じ。MPロディマスのようにマトリックスを開くポーズはちょっとむずい。
新旧マトリックス比較。左から旧MPコンボイ版(MP-4)、新MPコンボイ版、ロディマスコンボイ版になります。今回のものが劇中のデザインに一番近い感じがしますね。
【スパイク・ウィトウィッキー】
続いてスパイク!今回のMP-10でこれまでと違う要素としてこのスパイクのフィギュアがついてくることがあげられると思います。大きさはかなり小さいですが、丁寧に塗り分けられている印象。顔はあえて塗らずに逆にそれでクオリティーを担保してる感じがします。
「トランスフォーマー/リベンジ」のHAバンブルビー版サムと。このMP-10が発表された当初はHA付属人間フィギュアの大きさくらいかな?と思ってたんですが、この通りHAの方がめちゃめちゃでかい。
【ローラー】
続いて自律式偵察車両ローラー。旧MPコンボイにはありえないことに付属していなかったこのローラー。コンボイはコンボイ本体とコンテナ、そしてローラーの三位一体ではじめて「コンボイ」と呼ぶことができるので、マスターピースとしてはこれで初めて「コンボイ」の完全型を拝めることとなったわけです。
造形はシンプルながら細部までしっかりデザインされています。パトランプがかわいいですね。
パネルを開いたところにある穴にレーザーライフルを装着することが可能。もちろんスパイクをシートに座らせることができます。
後部も開き、中からコンテナとの連結のためのジョイント部分が出せます。また、中のほうもしっかりデザインされており、ヒートスクランブルのスターターについてくるエネルゴンキューブとかを入れて運んだりしたら楽しそう。
ローラーの裏側も細部まで作り込まれています。残念ながら左右連動してタイヤが動くことはできません。
ちなみに、今回のローラーにはG1コンボイ付属のホースを取り付けることが可能。なんでも蓮井氏いわくコストダウンの名残(プラスチックの量を減らす?)だそうで、こういうちょっとした遊び心は嬉しいですね。
新旧ローラー比較。左から今回のMP-10版、G1コンボイ版、ハイブリッドスタイル版、FansProjectのG3トレーラー(非正規品)版です。なにげにハイブリッドスタイル版は小さくてもタイヤの左右連動で動いたりしててすごかったんだな…ですが、デザイン、ギミックという点では、今回のMPが一番いいと思う。
【変形】
続いて変形を見ていきます。
①まずは腕部の変形。下腕部分裏のパネルを展開して、拳部分を回転させしまいます。この時ついついひじ側のパネルを開き忘れるので注意(管理人だけかも…)。そして、腕を曲げてから下腕部分を押あげて二の腕部分を縮めます。
③膝裏のグレーのボタンを押し込むとロックが外れるので足を縮めます。ちなみに、個体差かもしれませんが、管理人のコンボイは左足のロックが恐ろしく硬くて、ボタンを押し込んでもなかなか足が縮まらなかった…そういう時は、ボタンを押して膝下をおもいっきり押し込むといいですよ。おそらく、ロックは外れてるけど、中でなにかが干渉しててそこが微妙に引っかかってる感じなのかも。
④腰部分から下半身を180度回転させます。そして、膝部分のメッキのタンクと、タイヤ部分のカバーをそれぞれ移動させます。あとは足のつま先とかかと部分を閉じて、左右の足を閉じます。
この足部分なのですが、かっちり閉じるのがなかなかうまくいかない。他の人のを聞いてもここはうまく閉じないらしく、なにかが悪さをしている模様。閉じないわけではないのですが、気がつくと外れてることが多いです。コツとしてはくるぶし辺りが金属製なので、ここをしっかりはめると他が外れにくくなります。ほんと気休め程度ですが…
⑤続いて、上半身部分。まずは胸部分を開いて、グリル部分のジョイントをはずして上半身を後ろに倒します。その後、グリル部分のくぼみに背骨っぽくなっているダイキャスト製のパーツをはめ込みます。
⑥脇腹部分を左右に展開。これは旧MPコンボイでもお馴染みの変形方法。この前輪部分の変形は蓮井氏も「秀逸」と言っており、今回意図的に取り入れたのではないかと思います。
⑦「⑥」で展開して出てきたタイヤ部分を回転させます。また、背中パネルが付いてくるので、そこにあるメッキパーツを展開。もう一つ、胸のメッキパーツと、その下にあるパネルパーツを開きマトリックスをむき出しにします。
⑧展開した胸部分を下に倒すとビークルのグリル部分が出てきます。ここも旧MPコンボイを彷彿とさせます。そして、頭を倒して収納します。
⑨胸部分のパネルをとじ、肩を後ろ側に倒して腕部分をボディー側に入れ込みます。そして左右のパネルを起こしてメッキのライトパーツとバンパーの両端部分を本体側に倒してジョイントします。最後に、サイドミラーと後ろの煙突?部分を下に下げて出来上がり。このように変形は旧MPコンボイの良いところを取り入れつつ、ストレスを最小限に抑えて非常に変形しやすいものになっています。
【ビークルモード】
ということでビークルモード。ロボットモード同様、非常にかっちりしています。また、旧MPコンボイよりもトラックとしてのデザインがよりアニメに近くなっているのも特徴。
背面。旧MPコンボイの時にちょっと後ろ(足)部分が長くてトラックとしては不格好に感じていたのですが、今回のver.2.0ではフロント部分とリア部分のバランスはとてもいいと思う。
正面と背面。リベット的なディテールもしっかりしていてビークル形態でもかなり満足度の高いものになっています。背面のライト部分はグレーになっており、ここはできればメッキかクリアパーツとかが良かったな。そして気づけば足のジョイントが外れてた…ぐぬぬ。
今回ビークルで残念なところとしては、旧MPコンボイであったタイヤのサスペンションギミックがオミットされているところ。コスト的なところなのかもしれませんが、旧MPコンボイであったおまけ的なものがすべてなくなってしまっているのが残念。
底面。マトリックスがまるみえ…黒いパネルを閉めてマトリックスを隠して変形しようとしたけどダメでした…せっかくロボットでは厳重にパネルで隠されているんだから、ここでも隠して欲しかった。
そして今回、スパイクがコンボイに乗せられるギミック付き。ヒューマンアライアンスやバイナルテックのようにサイドドアが開いて乗れるわけではなく、フロントパネル部分を展開して座らせる形です。また、運転席の造形などもありませんが、こうして人が乗れるG1コンボイというのはなにげに初なのではないでしょうかね。これに関しては蓮井氏は「MP-1でやってなかったことをやりたかった」と言っており、ダイアクロンから来る基地遊び要素&コンボイとスパイクの交流を出したかったようです。管理人もこのギミックはすごく気に入ってます!
【コンテナ】
続いてコンテナ。今回のコンボイは初めからコンテナが付いているのも大きな特徴。コンボイって行ったらやっぱりトレーラーを引いた姿が印象的ですもんね!で、そのコンテナですが、今回非常に凝ったものになっています。全体がシルバーで塗装されており見栄えがよく、ラインとオートボットマークもキレイ。まず、コンテナ単体でもスタンドを起こして自立させることができます。
真横から。今回サイバトロンマークが旧MPコンボイに比べ中央寄りになっています。これはよりアニメ内でのデザインに合わせられたため。ちなみに、オートボットマークがこれまで前よりにあったのはG1トイに合わせられていたためのようですね。
「戦え!超ロボット生命体トランスフォーマー」より。サイバトロンマークが中央よりにあるのがわかりますね。え?わかりにくい?
後部の扉部分。テールランプやバンパーなどリアルに作りこまれています。
今回、管理人のコンボイは指がないのが一番のダメだった部分なのですが、その他にも若干塗装で気になる部分が。その1つとして、コンテナの塗装が若干汚かったこと。ホント一部なんですが、面一な箇所が多いから結構気になる…
今回のコンテナには変形ヘンケイやユナイテッド、そしてオルタニティの乗用車型の車がぴったり合います。写真はオルタニティのGT-Rコンボイ。
そして、コンテナでの一番のおすすめなのがこの内部の感じ。後述する武器を収納できる台が良い感じに壁になって奥が隠されており、内部の密度が増している感じになっているのがすごくいい!外側は普通のコンテナで中身は超メカニックっていう秘密基地的な雰囲気がいいですね。
トレーラーではおなじみギミックの司令コックピットをコンテナの外に出して「ヘッドクォーターモード」。
ヘッドクォーターモードの際にコンテナに出来る穴は今回塞ぐことができ、コンテナだけで見たときに穴がない状態に出来ます。こういう気配りが今回は多く見受けられてとても好印象ですね。また、G1トイやMP-4コンボイ完全版のトレーラー前部にあった謎のコックピットを出せる穴はなくなっています。
コンボイと連結。うーん、やっぱりコンボイはこうでなくては!今回トレーラーとコンテナの対比も劇中に近いものとなっているとのことです。
今回、ビークルモードの出来も非常によいので、モデルカー的な感じでも鑑賞することができます。知らない人がみたらきっとこれが変形するなんて思わないだろうなー。
コンテナ部分のサイバトロンマークも立体的に造形されているのですごく存在感があります。かっこいい。
ヘッドクォーターモードで牽引。司令コックピットにはスパイクが乗ってますよ。
そして今回、ローラーにもトレーラーを牽引させることができます。これは「コンボイがロボットモードの時、コンテナはどうしているんだろう」という疑問に対する蓮井氏の答え。また、当初、このMP-10にはミニボットのドラッグが付属する予定だったようで、アニメ本編で傷ついたコンボイの代わりにドラッグがコンテナを引いていたことに感銘をうけた蓮井氏がやろうとしていたのですが、コストの関係で実現には至らなかったとのこと。残念。
「戦え!超ロボット生命体トランスフォーマー」第10話「セイバートロン星の掟」でのドラッグがコンボイのコンテナを牽くシーン。
【コンテナ/コンバットモード】
このコンバットデッキモードの時はアウトリガーを開きます。このアウトリガーは開くと連動して固定脚が下がります。
司令塔。根元のヒンジ部分が旧MPコンボイよりも太くなって安定性がましているのがいいですね。
また、両脇にあるオペレーションシートにもスパイクを座らせることができます。シート部分は通常時は倒しておけます。
【コンテナ/整備ドッグモード】
続いて、コンテナを立たせて「整備ドッグ」モード。両脇のコックピットのシートは倒してあります。
背面。こうしてみるとコンテナの下の駆動部分もかなりリアルに作りこまれているのが分かります。
整備ドッグモードではコンボイの武器を収納することができます。
壁部分もしっかりデザインされています。ここのディテールは管理人的に今回のコンボイで気に入ってる部分の一つでもあります!MP-4コンボイ完全版のコンテナの内部のデザインと比べてみても、ものすごく最近っぽい(ムービーが意識されたような?)感じでかっこいい。
コンボイをセット。ジャストサイズでコンボイを立たせることができます、考えてみるとエナジーアックスがこうして収納してあるのはおかしいな…
こんな感じで、コンボイがぴったり収まるようにデザインされています。これまでのコンボイ玩具での整備ドックでは、なんかコンボイが無理やり立たせられているような感じだったんだけど、今回は整備ドックとコンボイの一体感があっていいと思う。
オペレーションマニュピレーターの可動はこれまでのものとほぼ同様。
武器を収納する場所はバルコニーのようになっているので、スパイクを立たせるとなかなか良い感じに。
【比較】
いろんな比較しよう!ということで、まずは絶対に外せない「MP-1コンボイ」との比較(今回比較しているのはMP-4コンボイ完全版のコンボイです)!まずパッと見一番の違いは大きさ。今回のMP-10に比べ旧MPコンボイは1.5倍位の大きい。そして重さはおそらく2倍以上あります。旧MPコンボイ重すぎ。そして、全体のプロポーションも旧MPコンボイは直立感が強いですが、今回のコンボイは自然な立ち姿になっているのも大きいと思います。
3面で比較。こうして見るとやっぱりMP-10は腕が長い。また、横面、背面でみて分かるように、旧MPコンボイのボディに厚みがないのに比べ、今回のコンボイはボディ自体に厚みがあるのが分かります。あと、各部のディテール感(シリンダーなど)など、時代の流れを感じると言うか、やはり旧MPコンボイはちょっと古臭い感じがしますね。まあ、それはそれで味があっていいんだけどね。
レーザーライフル。形状はほとんど同じですが、今回の方が黒く、アニメや旧玩具の色と同じになっています。
ちなみに、旧MPコンボイのレーザーライフルを持つことも可能。
ということはこれもOK。けど、ちょっとこれはキツメなので、あまりオススメはしません。
ビークルでも。旧MPコンボイのように、フロントのライト部分が凹んでいるトラックがあるのかはちょっと判りませんが(デラックスサイズのクラシックやハイブリッドスタイルとかもそうだった)、個人的なトラックの印象だと圧倒的に今回のMP-10のほうがリアル。
Wikipediaによればコンボイのビークルのモチーフは「Freightliner COE」とのこと。こうみると、今回のビークルの再現度が実車にもより近くなっているのがわかりますね。ちなみに写真は87年のモデルのようで、コンボイがデザインされたのはもう少し前なので、実際にモチーフにされたのは別のモデルかと思います。
正面と真横から。リア側のバランスが大きく違うのが分かると思います。また、旧MPコンボイは分割線がだいぶ気になっていたのですが、今回はそういうつなぎ目に関しても年月の進歩を感じることができます。
「MP-9ロディマスコンボイ」(写真はホットロディマスモード)と。こうやって同スケールで並べられるだけでも、ロディマスを買った意味はあったのかもしれ…な…い…
レースカーモードと。相変わらずロディマスのヘンケイには骨が折れた…
キャンバートラックモードと。うーん、このサイズ比はなかなかいいかんじですね。
コンボイと握手をさせるためにロディマスの手はあんなに小さかったのだな…うん。そう思おう。
我が家のG1コンボイと同型の皆様。こんなに家にコンボイいたんだっけかな…
多元世界の方々と。なんか、ダメなところまで来てしまってる気がしないでもない…
最後にリーダークラスのムービーオプティマスと。今回のMP-10コンボイver.2.0はサイズ的にはクラシック(変形ヘンケイ)や、ユナイテッドシリーズのリーダークラスなんですね。
クラシック(変形ヘンケイ)、ユナイテッドのみんなと。こうみるとコンボイはちょっとデカすぎな気もするけど、バンブル辺りはちょうどいいのかな?今後このMP-10に合わせた大きさでシリーズ展開が予定されているということなので、他のサイバトロン戦士達の商品化が楽しみですね。
【可動・アクション】
さて、それでは最後にMP-10コンボイver.2.0の可動やアクションについてみておきましょう。可動に関しては、それほどグリグリ動くわけではないのですが、遊ぶ分には全く問題無い範囲。
また、今回かっこいいポーズがつけやすく作られている感じで、ポーズをつけたりするのがすごく楽しい。
蓮井氏いわく、アニメイテッドで培われたキャラクターらしさを感じさせるプロポーションを目指したということで、その試みは成功しているんではないかと思います。
可動範囲はこんな感じ。見ていただくと膝や肘などが90度以上曲がらないのが分かると思います。ここは2重関節でもう少し動いてもよかった。また、股関節旧MPコンボイのようにはアーマーが動かないので、このくらいが限度。でも劇中でもそんなにぐねぐね動くキャラではなかったので、コンボイのキャラ以上の何かを求めなければ全く問題ありません。以下、写真続きます!
表情付けが楽しい。ほんといろんな表情をこのコンボイは見せてくれます。
今回、このスパイクがあるお陰でかなり遊びの幅が広がっているような気がする。こうなるとスパークプラグも欲しくなりますね。
以上、「マスターピース」シリーズから「MP-10 コンボイVer.2.0」でした!過去最高の写真枚数(2015年2月現在でも)でお送りした今回のレビューみなさんいかがだったでしょうか?MP-9ロディマスコンボイでの悪夢を味わった身として、かなり構えてこのコンボイに挑みました。その結果はと言うと、単刀直入に言えば今回のMP-10は「すごくよかった」です。指がついてなかった怒りを忘れるくらい。アニメ準拠のスタイルでのロボットモード、ムービーを経て得たビークルモードのリアルさ、簡単すぎず難しすぎない小気味のよい、迷わない変形とこれまで出たこのG1スタイルのコンボイとしては過去最高のものではないかと思います。もちろん、これは個々人の「コンボイ像」がどうかによって大きく左右されると思いますが、少なからず管理人はこのコンボイを「決定版」と位置づけることが出来ると思っていますし、しっかり「マスターピース」たるクオリティであると認識しています。MP-1同様末永く語り継いでゆくべき玩具であることは間違いありませんし、このMP-10コンボイver.2.0を多くの人に触って欲しいと思います。
しかし、「多くの人に触って欲しい」と思いながら、大きな壁が実はあったりします。それは「価格」。このコンボイの定価は23,100円です。PS3が買えちゃいます。アマゾンなどで30%OFFになっても1万6千円程度します。そして、管理人はこのコンボイはとても素晴らしいものなのですが、正直なところその金額を払う価値があるか、といえば少なくとも定価分はないと思います。
トランスフォーマーのコアなファンからしてみれば、非正規のアイテムのちょっとしたもので1万円するなんてものもありますし、正直管理人は飼い慣らされていると思うので、買います。しかし、このマスターピースというものは、高額ではありつつも一部のコアなファンにだけ向けられた玩具ではないと思っています。そう思う理由の1つとして、MP-9ロディマスコンボイをレビューした時に頂いたコメントで、普段常にトランスフォーマーを買う人達以外からもコメントを頂いたことにあります。また、管理人自身もMP-1が出たときには、今のようにトランスフォーマーは買っていませんでしたが「昔トランスフォーマーを好きで見ていたからなんか欲しい」と思いましたし、友人の中にもMP-1だけは買ったという人がいます。
「昔好きだったから」とか、「昔見たキャラがこんなにかっこよくなって出てる!」とかそういう動機で買う。そういう意味ではマスターピースはガンプラに似てると思うんですよね。その潜在的なファンにおすすめしたいのは山々なのですが、この値段では正直無理です。もちろん、原油高であるとか、海外の人件費の高騰など様々な理由があることは重々承知です。また、おもちゃショーでタカラトミーの担当の方に「高いよ」と言った時も、その担当の方がそれを認識してどうにかしたいと思っているというのも直接感じ取れました。
ここで管理人が吠えてもそもそもの価格は下がりませんし、かと言って、このコンボイは本当にいいものなので「安くなったら買ってね!」と言うのも悔しいですし、安くなるまで残ってしまうのも悲しいです。要望としては、タカラトミーには適正価格というものをもっと考えて欲しい、ということに尽きます。「高くてもあいつらは買うだろう」とは思ってはいないと思いますし、これからマスターピースを新展開してゆく中で多くの人に手にとって欲しいという心意気も感じます。だからこそ、変な所で敬遠されるような玩具にはなって欲しくないと管理人は願います。「値段が高いから」とかそういう変な難癖がつくのはものすごく勿体無い!そういう意味では、コンテナなしverというものがあっても良かったと思うな…それで多くの人に買ってもらって、「コンテナは受注」とかでもよかった。
ハリウッドで映画化されてなお世界中で爆発的な人気を誇るトランスフォーマー玩具ですが、管理人はその全てを日本のタカラトミーで開発されていることを日本人として誇りに思います。そして、このマスターピースは日本のファンだけへの最大のご褒美であると思います。そのブランドを育てるのはもちろんメーカーであるタカラトミーだと思いますし、僕らユーザーも大事なファクターであるのは間違いありません。今後、このMP-10コンボイver.2.0とサイズ比が合わされた新生MPが開始されます。それを本当にユーザーが求めているかは判りませんが、少なからずこのコンボイクオリティでG1キャラクターが立体化されるとすれば楽しみにしないわけには行きません。MP-9でのロディマスの汚名をこのコンボイで払ったのですから、これからのマスターピースでも「マスターピース」の言葉の意味を噛み締めて、僕らを良い意味で裏切って、驚かせて欲しいと切に願います。
ここまでうだうだと書いてきましたが、最後に言えるのはこのMP-10コンボイは本当に素晴らしいということです。これから先何年も大事にしていこうと思える、そんな玩具です。
【2015/2/10追記】
3年以上前の記事になりますが、過去最高のボリュームのレビューなのは変わらず!この後マスターピースはこのコンボイを基軸にして、「MP-12 ランボル」を皮切りにカーロボット勢が増え、MP-10以前よりもブランド力が大きく上がり、今後ますます楽しみなシリーズになっています。再販も決定しており、まだ悩んでる!という方は是非このレビューを見て決めていただければと思います!
いつも楽しく拝見させていただいております。これは大変厚かましい私の希望なんですが、このコンボイと去年発売されたクラシックオプティマスのビークル時の並べた写真も見てみたいです。(家にはどっちも持っていないので)