今日はマスターピースから「MP-45 バンブル Ver.2.0」をご紹介!
商品名 | MP-45 バンブル Ver.2.0 |
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シリーズ名 | マスターピース |
クラス | – |
メーカー | タカラトミー |
発売時期 | 2019年11月23日 |
価格 | ¥13,000(税抜) |
ということで、マスターピース「バンブル Ver.2.0」です!「バンブル」は言わずとしれた『戦え!超ロボット生命体トランスフォーマー』に登場するキャラクターで、マスターピースとしては2014年に「MP-21 バンブル」として発売されましたが、今回は「Ver.2.0」と名をうち完全新規でリメイクされることになりました。近年のマスターピースの方針であるアニメのスタイルを再現したもので、さらにビークルモードは実車ではなく、劇中やG1玩具のチョロQスタイルを再現し、その上でフォルクスワーゲンのライセンスも得たものとなっています。当初発売が2019年9月でしたが、理由は不明ですが2ヶ月延期されようやく11月に発売されました。それではいってみましょー!
【パッケージ】
パッケージ。いつものマスターピースのフォーマット。11月発売新製品プレビューでも触れましたが、おそらく殆どがテープの2度貼りが行われています(箱、中のブリスターとも)。というのも、今回のバンブルは発売直前に延期されたのですが、時期的におそらくすでに生産が終了したあとに何かしら問題が発覚し修正したか、問題がないかすべて検品を行ったためだと思われます。Amazonのレビューで上位に「開封品が届いた」という★1のレビューがあり不安な方もいるかも知れませんが、そこは安心していただいて良いかと思います(中古を扱うお店だった場合はその限りではありませんが)。トランスフォーマーに限らず他のメーカーの商品でもよくあることで、管理人的はテープの2度貼りに当たるとむしろ「検品されてOKだったもの」という安心感があったりします。まあ、何か一言あってもいいとは思うけども。
中身はこんな感じ。バンブルが小さい!
シールが付属されています。事前に何の情報もなく完全にオマケのような感じだと思われます。説明書にも「自由に貼って」としか描かれておらず、何用なのかわかりにくいものも多いです…ちなみに、左上のハートは付属のナンバープレートのサイバトロンマークの上に貼って「I♥NY」にできるもの、その隣の緑のものは第40話「チルドレンプレイ」のチョコミントアイス、左下は第48話「恐怖のコスミックルスト!」のコズミックルスト、右端は第34話「サバイバル作戦」のモルフォボットをそれぞれ再現したもの。遊び心としては面白いけど、普通のシールなので一度貼ったら終わりなのが刹那的。
キャラクターカード。上からせまる3体のジェットロンがなんとなく意味深。イラストレーターは不明。もしご存じの方いれば教えて下さい!
【ロボットモード】
ロボットモード。スタイルは『戦え!超ロボット生命体トランスフォーマー』に登場した姿を再現していて、愛嬌のある「まさにバンブル」と言った出で立ち。最近のマスターピース同様、表面に見える部分は全面塗装になっていて、質感も分けられていていい感じ。大きさは小さいですがパーツがみっちり詰まっていて、イベントなどの試作品で見た印象よりも実物はまとまりがあるように感じます。
背面。背中は劇中ののっぺりした形状の再現はさすがに難しく、ガワの中に細かくパーツが重なり合っているのが分かります。背中のタイヤケースも造形されていますが、これは形状だけを再現したものでビークルモードでは表に来ません。
前面&背面。
側面。胴体の中身はすごく複雑にパーツが詰め込まれているのが分かります。
バストアップ。顔は劇中のバンブルの顔をしっかり再現してくれています。この画像は正面ですが、ちゃんと奥行きのある丸っこい頭になっているのもいい感じ。ただ、口の周りのラインが凹んだラインで再現されているのはちょっと違和感…これって面の角を絵的に表現していたものであって、決してモールドではないような気が…
通常の表情の他にフェイスパーツが2種付属。まずは「笑顔」。とてもバンブルっぽくていいですね。
「驚き」。通常顔とほとんどさがわからないレベル…どっちもちょっとにやけてる感じで差し替える意味を殆ど感じず、だったらもう一つシリアな顔が欲しかった…
上半身。胸部は完全にダミーパーツで再現されています。胸の大きなサイバトロンマークがいいですね。
手は指を広げることができます。
上半身背面。
下半身。足はロボットモードで唯一ビークルの意匠を生かした形。発売前は足が潰れすぎて見えるのと内側に折りたたまれたパーツが丸見えで「ちょっとなあ…」と思っていたんですが、実際に触ってみると、接地性もよくてそんなに悪くないと感じています。
下半身背面。
続いて武器。「レーザーガン」。劇中のサイズに合わせられたものでとても小さいです。ちなみに説明書では手のひらの穴にグリップのジョイントを固定するとありますが、正確には手を閉じることで手のひらの穴が狭まり、それでジョイントを挟むようにして固定する形になっています。
エフェクトパーツ。銃の先端に取り付けます。
銃はお尻部分に取り付けることができます。
【スパイク】
「スパイク」。「MP-44 コンボイVer.3.0」はヘルメットをかぶっていましたが、今回は何もかぶっていないバージョン。顔の造形も細かく施されているんですが、よく見るとアゴが出ててなんか怖い…また、頭以外の造形は「MP-44」のスパイクとほとんど同じですが、足の裏の磁石はついていません。あと、胴体部分も接着されているのか全く動かず…動くのか動かないのかどっちなんだ…
バンブルと並べるとこんな感じ。今回のスパイクはバンブルのビークルモードに搭乗できるように作られているので、ロボットモードではかなりバンブルが大きく感じます。
【ビークルモード】
ビークルモード。「フォルクスワーゲンビートル・タイプ1」のチョロQスタイルに変形。その上でちゃんとフォルクスワーゲンのライセンスを取得しています。G1時のアニメ劇中と玩具でもスタイルは違っているのですが、今回はその中間のような感じでデフォルメがすごくいい感じでかわいい。ただ大きさに対して分割が多く、全面塗装なこともあり、どうしてもガタついた感じに見えてしまうのは残念…
背面。リアの形状はアニメの見た目を踏襲しています。後輪が大きく、それでチョロQらしさを感じさせます。ちなみに管理人のものはリアのライト部分がリアフェンダー部分にぴったり密着せず隙間が空いてしまっています…塗膜が干渉しているような感じで、いくら押し付けても戻ってくる…どこか削るにしてもどこも塗装だからなあ…
変形に関してはこの小さいビークルから倍くらい膨張してロボットモードになるのは素直にすごいと思うし、ある程度の強度を考慮した上でここまで細かく変形させるのはタカラトミーのトランスフォーマーチームだからこそだと思うのですが、いかんせん変形が楽しくない…非常に作業感の強い変形になっていると感じます。あと、ここ最近のマスターピースで多いのが「パーツをパーツの間にくぐらせる」という工程で(今回で言えば腕の変形で、コンボイ、ブラックウィドーは頭の変形)、パーツ同士がこすれることが多く非常に気を遣うので管理人個人的にはそれがとてもストレスに感じるし、普通にやりにくい。全塗装じゃなければそこまで気を使わないと思うのですが、全塗装であるということは最近のマスターピースのアイデンティティだし、かつて僕らもそう望んでいたものなのでとてもジレンマを感じるところ…
前面&背面。
側面。
底面にはレーザーガンを取り付けることができます。
オマケパーツとしてナンバープレートパーツが付属。バンパー部分に取り付けます。これは第23話「スチールシティ」での1シーンを再現できるもの。分割するバンパー部分に取り付けるので、取り付けたまま変形はできません。
ドアは開閉可能。
中にはスパイクを乗せることができます。せっかくドアが開くけど、スパイクを乗せるには前面部分を開ける必要があり、特に運転席も造形されているわけではないので、搭乗というよりは「収納」と言ったほうがいいかもしれません…あと、劇中は左ハンドルでしたがボンネットの裏にタイヤカバーがある影響で右側にしか乗れず、カーリーをに乗せたりもできません。
収納してルーフを閉じるとこんな感じでぼんやり中にスパイクが見えます。
ちなみにトランスフォーマー公式Twitterではドアの開け方、スパイクの載せ方などのコツを紹介しています。ここまでフォローが必要なら、最初から説明書に載せてほしかった…というか、変形がものすごく複雑だったり、扱いに注意が必要な商品になっているんだから、説明書はあのペライチのポスタータイプじゃなくて、冊子にしてもっと見やすくして欲しいなあ。価格的にもそれくらいやって欲しい…
いよいよ、明日発売!
— トランスフォーマー情報局 (@TF_pr) November 22, 2019
MP-45 バンブルVer.2.0
開発プロジェクトメンバーより、より楽しく遊んでいただくために、変形のコツを教えてもらいました。
ご確認いただきつつ、存分に遊んでください!
商品情報はこちらから↓↓https://t.co/DTkbkTImDw#トランスフォーマー#オイラだよ pic.twitter.com/IOPWbJa00P
【比較】
Ver.1.0であるマスターピース「MP-21 バンブル」と比較。こう比べてみると、今回のバンブルの劇中再現度の高さが際立ちます。けど、「MP-21」もちゃんとバンブルしているし、完全に設計の思想が変わってしまっているのでどっちが劣るとかの話ではなく、これからもこの「MP-21」は大事に遊んでいこうと思います。
ビークルモード。映画『バンブルビー』でさんざん本物を観たあと「MP-21」を見るとフォルムが玩具用に結構アレンジされてたんだな、と気づきます。
G1トイ「バンブル」(写真はトランスフォーマーアンコール版)と。
当時の玩具はライセンスなどは取得しておらず、「ビートルっぽいもの」でした。アニメも基本的にこの玩具のデザインを踏襲して、さらに人が乗っても違和感のないサイズになっていたので、また違った感じのものになっていました。
本物のビートルとの比較ということで、トミカプレミアム版「フォルクスワーゲンビートル・タイプ1」と。
マスターピース「MP-44 コンボイ Ver.3.0 」と。たしかにここまでコンボイがアニメに寄せられると、他のメンバーも揃えたくなるのは性(さが)なわけで、こうなると「ランボル Ver.2.0」、「プロール Ver.2.0」とかその辺も全部変えて統一できるようにして欲しい…
ビークルモードでも。
もちろんコンボイのトレーラーに収納できます。
コンボイ付属のスパイクと。今回のスパイクにもちゃんと磁石仕込んでほしかったなあ。あと顔違いすぎ。
【可動・アクション】
可動はここ最近のマスターピース同様よく動いてくれます。ただ、腰は背中のパーツが干渉してあまりまわらず、また関節がどこも緩めで、保持できないほどではないのですがくねくねしてしまうのはちょっと残念。特に股関節周りは可動範囲を広げるために二重に関節が設けられているのですが、動いてほしくないほうがよく動いてしまいます。ただ、見た目はアニメのバンブルそのままなので、ポーズ付けはとても楽しいし、今にも喋りだしそうでサウンドステージとか欲しくなっちゃいます。以下写真続きまーす。
膝立ちも余裕。膝を上げられるように、股間のパーツも一緒に動くようになっています。
首も上を向けるのでこんな感じのポーズもできます。
足の接地面も多いので片足立ちも余裕。
スパイクと。さすがにちょっとスパイクの大きさが足りない…「MP-47 ハウンド」のスパイクがちょうど良さそうで楽しみ。
お知りにフィギュアスタンド用の穴があるのでそれを使って。こんな元気のあるポーズもバンブルは似合っていいですね。というか、表情パーツは笑顔固定だな。
ビークルモードでも。
お尻のフィギュアスタンド用の穴はビークル時にも活用できます。
以上、マスターピースから「MP-45 バンブル Ver.2.0」でしたー!ロボットモードのアニメ再現、ビークルモードの無理だと思われていたG1のあのスタイルを突き詰めているのはすごいです。特にロボットモードは愛嬌のあるバンブルをしっかり再現していて、関節は緩めですが動かしていてとても楽しい。「MP-44 コンボイ Ver.3.0」を含めてアニメの世界がまたひとつ広がったことに喜びを感じます。
そして、チョロQタイプのビークルからアニメスタイルのロボットに変形してしまうということには素直に驚くし、これを考えた人は本当にすごいと思うのですが、変形工程がどうしても複雑で、全塗装なので神経を使う部分も多く、作業感がとても強い変形になってしまっています。小さい割に分割が多いのでビークルのガワの合わせもキレイになりにくく、チョロQスタイルだからこそそこが目立ってしまうのももったいない。「MP-46 ブラックウィドー」のレビューでも言ったことですが、やっぱりトランスフォーマーは変形が大きな魅力だし、管理人がトランスフォーマーをいくつも買ってしまうのは変形が楽しいからです。タカラトミーが作る「トランスフォーマーのマスターピース」だからこそ、シージや過去のマスターピースを超えた変形をしてほしい。それは超絶変形だけじゃなくて、変形自体に楽しさや気持ちよさを感じるものであってほしいです。それに変形にもキャラクター性やストリーを持たせられると思っていて、そこが複雑な超絶変形ばかりだとそういうものが薄まってしまい、すべて一緒くたになってしまうようにも思います。
それと、最近のマスターピースを作っている人の顔が見えないのにも少し問題があるのではないかと思います。ヒーローXの「トランスフォーマージェネレーション」には大嶋優木さんのマスターピースの画稿が掲載されており、それ自体はすごくこだわりと愛を感じるデザインになっているのですが、いざ肝心の玩具の設計部分はブラックボックス。インタビューによればプロジェクトメンバー制を敷かれているということで、たくさんの方が関わっているとは思うのですが、そのせいで唯一顔を出しているメンバーの方が矢面に立って叩かれているのは健全な流れとは思えません。プロジェクトというからにはプロデュサーなりディレクターといった人を立てて「こういう方針でやってるんだよ!」と自信を持って僕らに伝えてほしいし、それで納得できることもあるんじゃないかと思います。すごく贅沢な希望だということは分かっているし、今のマスターピースの状況はきっと僕らのこれまでの要望が大きく反映されたものであるということも理解しています。けど、高額化が避けられない状況の中で、このまま突き進んでしまうのはマスターピースの未来を先細りさせてしまうのではないかと心配になってしまうのです。
最後になりますが、このバンブルは言われているほど悪いものだとは思いませんし、バンブル好きなら是非触ってみてほしいです。確かにデリケートな部分も多く品質に差が出そうな作りで、変形に作業感が強いのは間違いないのですが、アニメのバンブルの再現という点では素晴らしいし、チョロQタイプのビークルはよく実現してくれたと思います。見た目と中身が分断された評価になってしまうのが最近のマスターピースのレビューの流れになっているので、次こそはもっと違う、できれば絶賛できるマスターピースになってるといいなあ、と心から思います。
管理人様がよく書かれている、作業感の強い変形というのが今一つよくわからない(ただ複雑であるということではないですよね)ので、具体的にどういうことなのか伝えていただけると今後読むときにもわかりやすくなって有り難いと思います。
バンブルの関節の緩さは個体差で発生しているものかと思います。