【スーパージンライへの合体】
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まずは「ジンライ」を変形。脚部を背中側に倒して箱状にします。
「ジンライ」の合体モードに変形する際に一つ注意点があって、キャブ部分と脚部を接続する煙突部分のジョイント(黄色丸部分)が非常に細く、無理な力を加えると破損する可能性があります。変形の際は気をつけながら接続しましょう。ただ、脚部を胴体側にたたむ変形がイマイチやりにくい…というのも、膝の二重関節の一つがクリック関節ではないので、合わせ位置を微妙に調整しながらやらないといけないし(ちょっとでもズレてると上手くダブルオンできません)、そんなことをしていると今度は胴体と太もものジョイントが外れたり、不意にジョイントにテンションがかかって焦ります。もう簡単に位置合わせできるようにしてほしかったな。
そしてコンテナも変形。基本的なパーツ構成は1988年に発売されたオリジナル版と似たような感じで、サクッと変形できます。頭部はコンテナと接続された形になっていて、「ジンライ」を合体した後に倒して固定します。
変形させたコンテナに、「ジンライ」を合体させてダブルオン!何気にこのダブルオンが曲者で、一発で綺麗にはめ込むのはほぼ無理で、必ずと言っていいほど途中で突っかかります。グッと力を入れて押し込むか、「ジンライ」の脚部を少しボディ側に寄せると入るようになります。また、上で書いた通り、「ジンライ」の脚部の変形の角度が少しでも間違っていると、しっかりはめ込めず、頭部を倒して固定する際に浮くことになってしまいます…また、その頭部も「ジンライ」に引っかかりやすい…「スーパージンライ」のメインギミックで、しかもオリジナル版の玩具では気持ち良い部分だっだだけに、調整をしながら合体しないといけないのがすごく残念。あと、無理なのを承知で言えば頭部は「ジンライ」から出てきてほしかった!
【スーパージンライ ロボットモード】
ということで、「ジンライ」とコンテナを合体して頭を倒して「スーパージンライ」の完成。「ジンライ」から一気にサイズアップして迫力ある大きさに!見た目もアニメの「スーパージンライ」の姿をかなり意識した作りになっています。劇中では玩具のデザインをベースにアクションできるようにアレンジされた姿だったものを今度はまた玩具に落とし込むという、トランスフォーマーだからこその変遷を感じられるのが面白い。また、アニメカラーということで、形のサイバトロンマークは「ジンライ」どうよう黒い線で描かれ、また指がアニメの見た目に合わせて赤くなっています。
背面。背中の背負い物も元のデザインを元に再現されています。
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前面&背面。
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側面。
バストアップ。頭部はアニメの見た目をベースにしたもの。少し釣り上がった目はアニメ同様水色になっています。「ジンライ」と頭部パーツの土台は少し浮いてしまうのが残念。あと、土台部分の正面にパーツを切り取った跡がくるのはどうにかできなかったのかな…
よりアニメの雰囲気を重視したア「アニメ版ヘッド(B)」も付属。作画違いでマスクが鼻を隠した形状で、目もより睨みをきかした感じに。額部分や、左右の角の形状も若干異なります。
肩に取り付ける用の「アニメ版型パーツ」を取り付けて。アニメの中では「オーバーロード」にボコボコにされるまではこの見た目での活躍が多かった印象。
上半身。せり出たジンライのキャブ部分がカッコイイ。
手は親指と人差し指が独立して動き、中指〜小指はまとまって動きます。また人差し指〜小指は第二関節が動かせます。
肩周りはかなり広く稼働できるようになっています。もしかすると「ゴッドジンライ」になるときに腕を引き出すためのものなのかも?
注意点として、腕を横に広げられるように肩上部のパーツを動かすことができるのですが、写真より開くことができません。しかもこのパーツが結構薄くて無理に動かすと壊れやすそう…根本の青い関節からも腕を横に広げることができるので、そっちの方で動かすのをおすすめします。
背面。背中側もしっかり変形させる形で密度感あります。
腰部分は前に傾けることができます。
下半身。特徴的な大きな足部分もそのまま再現。接地する部分は角度をつけることができます。
下半身背面。
TFパワーベースと接続するためのアダプターが付属。かなりガッチリ固定されるのでなかなか取るのが大変。
【スーパージンライ 玩具版】
「MP-60 ジンライ」をダブルオンすることで「スーパージンライ 玩具版」にすることができます。本当ならば付属のシールを貼ることでよりオリジナルの玩具の見た目に近づけることができますが、流石に貼る勇気は出ず…果たして貼った人はいるのだろうか。
頭部はオリジナルの玩具に合わせて目が赤くなっています。形状はアニメ版の方と変わらず。
手も玩具の見た目に合わせた青い手に差し替えます。
【武器】
まずは「スーパージンライ用 超伝導ライフル」。「ジンライ用」よりも一回り大きいものになっています。接続方法はジンライ用と同じく手の平にジョイントで接続しますが、手の平側の接続部分が指パーツと一体化しているので、指を握らせると動いちゃうし、相変わらず外れやすい…作ってる人はちゃんと持って遊べるか確認してるのか!?と思うほど。
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銃撃エフェクトパーツと電撃エフェクトパーツを銃口部分に取り付け可能。ちなみに、武器がポロポロ手から落ちちゃって、そのはずみで銃撃エフェクトパーツの3mm突起が折れましたとさ…
「ジンライ用」と「スーパージンライ用」の超伝導ライフルの大きさを比べるとこんな感じ。
肩の「バーチカル・ビームキャノン」。時にギミックはありませんが、銃口部分は3mm穴になっているのでエフェクトパーツを取り付けられます。頭部付近に配置されるから裏側の肉抜きが結構気になるかも…
「ジンライ」同様、電撃エフェクトパーツは手のひらに取り付けることもできます。
【比較】
続いて基地モード。コンテナ部分を変形させます。オリジナル版の玩具とほぼ同様のパーツ配置で、変形パターンもかなり似ていますが、各部のディテールがアップしていてより密度感を感じます。手前に伸びるパネルのサイドに壁があるのもいい感じ。
後ろから。
バーチカル・ビームキャノン部分にはオリジナル版と同様にゴッドマスターを座らせることができます。
ベース部分の色がついた部分はシールではなくプリントになっています。
一個残念なのは「スーパージンライ」の頭部が中央部分の室内にそのまま配置されてしまうこと。オリジナル版ではそもそも頭部は別パーツでしたが、今回はコンテナと頭部は接続されているので仕方ないといえば仕方ないのですが、旧玩具ではここがちゃんと部屋になっている感じが好きだっただけに残念。
「ジンライ」と並べるとこんなサイズ感。
【比較】
1988年に発売された「スーパージンライ」の「ジンライ」と。
「スーパージンライ」モードでも。想像以上にオリジナル版の変形やギミックそのままのリメイクになっています。ちなみに「MP-60 ジンライ」のレビューでも書きましたが、今回このマスターピース版を手掛けたのはオリジナル版も手掛けた大野光仁氏。大野氏はダイアクロン時代から様々な玩具を手がけたまさにレジェンド。インタビューで「スーパージンライ」は一番思い入れが深い玩具と語っているほどで、またこのMPG版を「最後にふさわしい」とも言っており、年齢的にも最後に手がけるトランスフォーマーということになるのだと思われます。
ビークルモードでも。ロボットモードでは全く大きさが異なりますが、ビークルモードでは似たようなサイズ感に!
基地モードでも。こちらも似たサイズ感。
2017年に発売されたレジェンズ版「LG35 スーパージンライ」と。レジェンズ版はキャブとの一体変形で、「ジンライ」モードがなかったので、今回のMPGはまさに念願のリメイクと言えると思います。
ビークルモードでも。
マスターピース「MP-60 ジンライ」と。どちらも「スーパージンライ」になることを考慮してか、メインの色味はほぼ同じで、違いは細かいカラーリング部分のみとなります。一番大きいのは目の色と肩のサイバトロンマークかな?あとは腹部のシルバーのラインの有無も目立ちます。
ゴッドマスターでも。ゴッドマスターは赤色の成形色や、プリントも結構違っていて差を感じやすいです。
ビークルモードはもうほとんど差がなくて、唯一見分ける方法としては、MPGの方はバンパーのフォグランプが黄色く塗られていることくらい。あとは若干ウインドウのクリアパーツの色が違っています。
【可動・アクション】
「ジンライ」はマスターピース版でも見た通りで、MPG版も触り心地は変わらず。以下、写真続きまーす。
説明書にも載っているしゃがみポーズ。これは第20話「サイバトロン戦士シックスナイト?!」で「シックスナイト」と話すシーンを再現したもの。「ジンライ」らしさがよく出たポーズだと思います。
電撃エフェクトパーツを使って。
トランスフォーマーなのに超能力で戦うというのが今見ると不思議だったけど、この頃を思い出してみると超能力ブームみたいなものがずっと継続していて、またちょうどこの頃Mr.マリックなんかも流行り出してきていた頃で、そういうのも反映した設定だったのかな?と思います(マリック大好きだった!)。
「スーパージンライ」モードでも。「スーパージンライ」の可動もとてもよく動くように作られていて、足首の横の可動こそ1クリック分しか動きませんが、それでもしっかりポーズが決まってくれます。肩や、股関節、膝はクリック関節で保持力も高いですが、股関節はもう少しクリックの幅が細かい方が嬉しかったかな。
肩を前に引き出せるので、銃を両手で構えることもできます。「超魂!」
いわゆる「足」は脛部分と一体になって動く形になっています。購入前はあの独特な足の形状をどうするのかな?と思っていたけど、なかなか思い切った動かし方で面白いです。
TFパワーベースを使って。アダプターはポーズを取らせるというよりは「ゴッドジンライ」モードで立たせるためのもののような気もする。ちなみに足の裏には「ゴッドジンライ」用と思われるジョイントがあります。
ビークルモードでも。
以上、MPGから「MPG-09 スーパージンライ」でしたー!まずは「スーパージンライ」がこうして現代にマスターピースとしてリメイクされたことが純粋に嬉しい!全体的な作りもオリジナル版の玩具を強く意識していて、近年のマスターピースとは異なり遊ぶ際に気を使う必要もそこまでなく(一部ありますが)、変形もすんなりできるし、可動も良好でガシガシ動かして遊べます。見た目もアニメベースのスタイルがかっこよく、ちょうど『超神マスターフォース』の配信が行われていたので、それを観ながら遊べたのが良かったし、ロボットモードの再現度の高さを実感することができました。一方、これまで書いてきた通り不満な点もいくつかあって、特にこの「スーパージンライ」の一番のアイデンティティでもあるダブルオンが気持ちよくできないのは本当に残念。「ジンライ」側のゴッドオンの中途半端さもそうだし、楽しみにしていたギミック部分が絶妙に遊びにくい…作りがオリジナル版玩具を踏襲しているだけに、当時の玩具での売りでもあったギミックが今風に進化できなかったのはとてももったいなく感じました。あとはとにかく武器が保持しにくい。せっかくグリグリ動かせるようになって、カッコイイポーズが取れるのに、遊んでいるうちに武器が取れちゃうのは本当にストレスで、遊ぶ上での気持ちよさみたいなところが詰めきれていない印象を受けます。けど、全体的なボリュームを考えれば十二分に楽しめたし、個人的に「スーパージンライ」はずっと憧れの玩具だったので、こうして全く新しい玩具として入手できたのはやっぱり嬉しい。今後控えている「ゴッドボンバー」との合体も楽しみで仕方ありません。
最後に大野光仁氏について。大野氏は1980年に旧タカラに入社し、ダイアクロンやミクロマン、そしてそこから続くG1トランスフォーマー玩具を数多く手がけ(それはもうそうそうたるラインナップ)、BotConから続くHall of fame(殿堂入り)にも2人目の日本人としても選ばれています。近年では開発マンとしてマスターピース、MPGを担当しており、45年にわたって現役で玩具を作り続けたまさにレジェンドであり、トランスフォーマーファンのヒーローであります。Netflixの『ボクらを作ったオモチャたち』での姿や、インタビューなどを見ても優しそうな人柄が伝わり、管理人も過去東京コミコンでお見かけしてサインと写真をお願いした時にも快く対応いただいたことを今でもしっかり覚えています。その大野氏がインタビューで今回の「スーパージンライ」を「最後にふさわしい」と言っていることからも、大野氏の年齢を考えても少なくとも開発の現場からは離れてしまうようです。今回少し厳し目なレビューになってしまっていますが、それでも「スーパージンライ」を手がけた大野氏でなければできなかったものだと思います。これ以外にも40年という時を経て本人が手がけたリメイクに触れることができたのは個人的にはとても嬉しかったし、なんだかんだ言いつつこれからも大事にしていこうと思える玩具ばかりです(MPスタスクVer.2.0もとても好き)。大野氏がトランスフォーマーから離れて大きく何かが変わるのかは分かりませんが、少なくともG1に携わったレジェンド開発マンが現場からいなくなってしまうのは、ファン目線では大きな損失のように感じます。今のトランスフォーマーチームの面々を思い起こせば何も心配はいらないと思いますが、子供の頃本当にたくさんの大野氏が手がけた玩具を遊んだ身としては「あの大野さんがいなくなる」のはやっぱり寂しいなあ。大野さん、これまでたくさんのトランスフォーマーを作ってくれて本当にありがとうございました!!
実は足首の横の可動、2クリック分がある。しかし固すぎるで動く時は怖い。